日本の犬を取り巻く環境を良くするために

ガニング亜紀

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2011年4月から丸6年、dog actuallyで文章を書いてきましたが、これが私の最後の記事になります。dog actuallyを創設されたニフティさん、引き継いでここまで運営してくださったグリーンドッグさん、そして何と言ってもお付き合いくださった読者の皆様に心からお礼を申し上げます。

最初に声をかけていただいた時の打ち合わせに沿って、私の書く記事では主にアメリカの犬を取り巻く事情を紹介してきました。今までにも何度も書いていますが、アメリカという国は決して動物福祉の先進国というわけではありません。ペットの頭数過剰から来る殺処分問題、パピーミルやバックヤードブリーダーなどペット動物の生産や流通の問題(生産や流通というのは、生き物に使うには嫌な言葉ですが、ここでは敢えてそう表現します。)動物としてのニーズを満たされず訓練もされていない犬の問題行動、巨大産業のひとつであるペットフードにまつわる不透明な部分など、日本と共通する問題を多く抱えています。それゆえに、これらの問題に取り組んでいるアメリカの人々や組織の取っている姿勢や解決方法が、日本で同じような問題にぶつかっている方々の参考になることもあるかという思いを込めて書いてきました。

一方で、複雑で憂鬱な問題を紹介しながらも決して気が滅入るのみの文章にならないように、時には完全に息抜きの面白記事なども挟みこむことも意識してきました。これはもちろん読んでくださっている読者の皆さんのためにということもあるのですが、SNSのシェアや拡散などで初めてdog actuallyに触れた方や、検索エンジンなどからたまたま辿り着いた方にも、抵抗なく入ってもらえるようにしたいからという理由もあります。そしてそれはそのまま、今の日本の犬を取り巻く環境について「とっつきやすく広い間口で、より多くの人に知ってもらいたい。」という願いに通じる部分でもあります。

社団法人ペットフード協会の発表では2016年の日本の犬の飼育頭数は987万8千頭となっています。一千万頭近い犬たちの飼い主のうち、どのくらいの人が愛犬に家庭犬としての基本的な訓練を行っているのか、遺棄や殺処分される犬たちを減らしたいと考えているのか、また愛犬に与えるフードの基本情報を理解しているのかはわかりませんが、十分な割合でないことは簡単に推測できます。全ての飼い主が意識の高いエキスパートになるべきだなどとは考えているわけではありません。けれど日本の犬を取り巻く多くの問題の解決の第一歩として、知っている人や関心を持つ人の裾野を広げていくこと、そのための『とっつきやすく入りやすい入り口』が絶対に必要だと私は思っています。

dog actuallyを愛読してくださってきた皆さんは犬をめぐる色々な問題について、よくご存知の方が多いと思います。活動や情報の発信者の立場の方もたくさんいらっしゃるでしょう。そんな皆さんに『関心を持つ人の裾野を広げていく』ということを、ぜひ頭の片隅に置いておいて欲しいのです。深い知識を持ち様々な活動に深く携わっていく『ディープな参加者』の存在は素晴らしいことですが、環境を改善していくためにはそれだけではダメで「できる範囲でちょっとでも」という『ライトな参加者』が増えないと立ち行きません。

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この数年のうちに、dog actuallyの他にも犬に関する情報を発信するサイトはずいぶん増えました。私自身も情報を受け取る側として常に意識しているのは、どんなに素晴らしい情報やセオリーだとしても読んでいきなり丸呑みにするのではなくて、一旦は自分の頭で考えてみるということです。

「この件に関するメリットとデメリットは何だろう?」「以前に似た情報はなかっただろうか?その共通点または相違点は何だろう」「従来の情報と違うみたいだけど、もう一度自分自身で見比べてみよう」「自分の犬の気質や体質に合わせて考えるとどうだろう?」考えるポイントは色々ですが、こうすることで理解も深くなるし「あれ?前にあそこではあんな風に書いてあったけど、ここではこんな風に言われてる。どっちなんだ!?」と混乱することも少なくなります。入ってくる情報は自分で消化して活用して、初めて知識になり力になります。それもまた、犬を取り巻く環境をより良いものにしていくために大切なことです。

dog actuallyという媒体はなくなってしまいますが、この場を通じて多くの方がご自分のものにされた知識や力はなくなりません。私自身は、また場を変えて、私にできることをお伝えしていけたらと思っています。いつかまたどこかで画面を通じて我が家の犬たちや私の名前を目にされることがあれば「あ、dog actuallyの......」と思い出していただけたら光栄です。

読者の皆さんと愛する犬たちが健やかで幸せでありますように。不幸な環境にいる犬が一頭でも多く救われますように。そして改めて、心からの感謝を込めて、どうもありがとうございました。

 

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