感情が優先?健康問題を抱えがちな犬を飼おうとする理由

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[photo by LWYang]

2016年にJKC に登録された犬種別頭数を見るとプードル、チワワ、ダックスフンドの3犬種は相変わらずのベスト3、以下に続く犬種も小型犬が続いています。相変わらず小型犬人気が続く日本ですが、『世界的な傾向?~小型短頭種の割合が増え続けるオーストラリア』で紹介しましたように、短頭種や特定の小型犬が好まれる傾向は外国でも見られています。

短頭種はその形態的な特徴から気道閉鎖症候群(BAOS)や目の病気、皮膚の病気、数々の遺伝病になりやすいなど健康問題を抱えがちです。しかしそれでも人々がそのような犬種を選ぶのはなぜなのでしょうか。その理由を知るべく、デンマークのコペンハーゲン大学の研究者らは大規模アンケートを行い、その結果を『PLOS ONE』に発表しました。

研究の対象とされた犬種は、フレンチ・ブルドッグ、チワワ、キャバリア、ケアーン・テリアの4犬種。ケアーン・テリアはほかの3犬種と比較すると遺伝病が少ない健全な対照として選ばれました。各犬種それぞれにおいて、無作為に選ばれた750人の飼い主にアンケートを依頼したところ、846の有効回答を得ました。結果を以下に簡単にまとめます。

■購入前の計画の程度
チワワの飼い主はフレンチ・ブルドッグとキャバリアの飼い主に比べると事前に犬について学ぶことなく迎える傾向があり、ケアーン・テリアの場合はより過去の経験に頼りがちであった。

■迎える先
すべての犬種においてブリーダーから迎えられる傾向が高かったが、チワワとフレンチ・ブルドッグは他の飼い主から譲り受ける、またはシェルターから迎える割合が高めだった。

■犬種選択の動機
フレンチ・ブルドッグの飼い主は主に外見に興味をもち、キャバリアは外見の美しさ、性格、健康に重点を置いていた。チワワは外見よりも手に入りやすさや価格といった便利さが好まれていた。ケアーン・テリアの飼い主は犬種特性や健康に重点を置いていた。また全体として、外見や犬種特性を選択の強い動機とする人は、犬に対する愛着(attachment)が強いことが示された。

■健康/行動問題
チワワに最も行動問題が見られ(10%)、歯の問題も見られた(33%)。多くのキャバリアは健康チェックを受けていた(81%)。ケアーン・テリアはもっとも問題が少なく、獣医療代の支出ももっとも少なかった。

■犬への愛着(attachment)
チワワの飼い主が最も高く、次いでフレンチ・ブルドッグ、キャバリア、ケアーン・テリアという順番。犬のためなら何でもしてあげたいと回答したチワワの飼い主が70%だったのに比べ、ケアーン・テリアは43%。

■愛着と健康/行動問題
チワワとキャバリアにおいて、より健康問題や行動問題があると回答した飼い主は、よりペットに強い愛着を持っていた。

■次に迎える犬種
フレンチ・ブルドッグの飼い主はもっとも多く次も同じ犬種を迎えると回答した(29%)。チワワの飼い主は次にチワワを迎えないだろうと25%が回答したが、ほかの3犬種は10%ほどだった。チワワ、キャバリア、ケアーン・テリアは健康や行動問題が、次に同じ犬種を迎えたいというモチベーションに影響を及ぼしていなかったが、問題を抱えるフレンチ・ブルドッグの飼い主の、次も同犬種を迎えたいという気持ちは低下していた。

多くの健康問題や行動問題を抱えていても、一部の人々にとってそれは二度と同じ犬種を迎えないという意識にはつながらないことが示されました。つまり、これらの3犬種(フレンチ・ブルドッグ、チワワ、キャバリア)については、健康問題や行動問題を抱える可能性が高いことを知っていても、犬種を選択するときの大きなマイナス要因になっていないことが示唆されたということです。その理由として、短頭種の丸い頭や大きな目といった若齢の生き物に共通する外見的特徴が、人の"かわいい"と感じる気持ちを抱きやすくさせるため、健康問題や行動問題よりもそちらを優先する傾向になるためだろうと研究者らはいっています。たとえ病気があって手がかかることもまた、それはそれで愛着を強める要因となっているのかもしれません。

極端な外見やインブリーディングなどによってもたらされる健康問題に犬が苦しまされないよう要求していく動機を、これから犬を迎えようとしている人々に与えるためには、また別の方法を見つける必要があることを示す結果であると研究者らはいいます。

犬種による違いがあるように、特定の犬種を好む人もそれぞれに意識やモチベーションに違いがあるのかもしれないと感じます。犬たちの福祉を向上していくためには人が抱く感情面のコントロールも必要とされることを、より意識していくことが大切だとも思うのです。

【参考サイト】
Companion Animal Psychology

【関連記事】
世界的な傾向?~小型短頭種の割合が増え続けるオーストラリア

 

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