万が一の時、愛犬に遺すもの、遺す方法

ガニング亜紀

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(image from Clker-Free-Vector-Images )

海外のニュースなどで時折「大富豪が愛犬や愛猫のために◯◯億円相当の財産を遺すと発表」という記事を見かけることがあります。「あまりにも遠い世界の話だ。」と感じる人がほとんどでしょうし、大金持ちの粋狂として捉えられることが多いのも事実です。

しかし最近のアメリカでは、大富豪でなくてもペットのための信託基金を作っておくことが以前よりもずっと簡便にできるようになってきています。信託基金という形ではなくても、自分に万が一のことがあった時に備えて、ペットのための取り決めを作っておくことは重要です。

もしも飼い主がペットを残して亡くなってしまったり、医療施設に入らなくてはいけないような場合、何も準備をしていなければペットは公営のアニマルシェルターに収容され、引き取り手がなければ殺処分となってしまいます。アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)では『ペットプランニング』と題して、万が一に備える準備を詳しく紹介しています。ペットと暮らしている人ならば、どなたにも参考になるかと思いますので紹介いたします。

ステップ1「緊急時連絡カードを持ち歩く」

外出先で緊急事態が発生してしまい家に帰ることができない時に備えて、緊急時の連絡先を書いたカードを常に携帯しておく。

これは私が財布に入れているカードです。「家で待っているペットがいます。もしも何らかの理由で私が家に戻れない時には下記の番号にその旨を連絡してください。」として、二人分の名前と電話番号を記入するようになっています。

GREEN DOGさんでもオリジナルのエマージェンシーカードを販売していますので、参考になさってください。

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ステップ2「ペット1匹ずつに関する情報書類を作成する」

ペットの世話をするにあたって大切な情報を記した書類を作成して、安全でわかりやすい場所に保管しておきます。

保管場所はステップ1の緊急時連絡カードに記載しておくのも一案です。

書類のコピーをかかりつけの動物病院やグルーミングサロンのカルテに入れておいてもらうとより安心です。

以下は書類に記載する情報の案です。

  • 遊び、散歩、家の中など生活全般の癖
  • フードや食べ物の好み、ブランド
  • 医療的な注意事項や健康状態、服用している薬
  • かかりつけの獣医の情報
  • 他の動物/人間/子供に対する反応や行動

ステップ3「ペットを託す受け入れ先を決める」

自分に万が一のことがあった時に、大切なペットを引き受けてくれる人や団体を確保します。まずは法的に非公式にするか公式にするかを決めます。

法的に非公式というのは、ペットの世話を託された人に対して法的な強制力がない取り決めのことを言います。

取り決めは口頭または文書で交わされ、間に弁護士などは介しません。受け入れ先は家族、友人、動物病院、デイケア施設、ドッグトレーナー、各種保護団体など様々です。絶対に信用のおける受け入れ先だと思っていても、何が起こるかわからないのが人生ですから、非公式な取り決めを行う場合には常にバックアッププランを立てておくことも必要です。

法的に公式な取り決めを選んだ場合は、弁護士などの介在が必要となります。大きく分けて、ペット信託を作る方法、委任状や指示書を作る方法、遺言書に記載する方法がありますが、ASPCAは遺言書への記載は勧めないとしています。遺産を巡って係争などが起きた場合、その間は残された動物の世話が宙に浮いてしまうことになり、故人の遺志に反する結果となった場合も裁判所にはペットの行く先を探す義務はないからです。

  • ペット信託とは、飼い主が亡くなった後のペットの世話にかかる費用を信託契約として法人などに託しておき、あらかじめ決めておいたペットの世話を引き継ぐ人に定期的に支払うという仕組みです。信託には金銭的なことだけでなく、ペットの食べるフードのブランドや動物病院を訪れる回数なども指定することができ、これらのことには法的な強制力が伴います。
  • 委任状というのは、飼い主がペットの世話をできなくなった時に代わりにペットの処遇を決定することができる人を決め、その人に決定を委任するというものです。指示書というのはペットの世話を引き継ぐ人、ペットのために遺した資産の使い道、ペットの世話に関するやり方などを法的に強制力のある形で指示する文書です。

これらの法的な書類を作るために、専門家のアドバイスとチェックを受けて後は裁判所に提出するのみというところまでがパッケージになったオンラインのサービスもあり、50ドル以下の費用で公式文書を作成することもできます。

日本でも上記と同じ仕組みでペット信託を作成して、公式な取り決めを行うことが可能です。日本の場合は行政書士に依頼することが必要ですが、少し特殊な例になるのでこういったことに知識と経験のある事務所を探す必要があります。動物に関する法律手続きには『動物法務士』という認定資格もあるそうですので、このキーワードで探してみると情報が見つかりやすいかと思います。

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(photo by Unsplash )

このようにペットのための信託や遺言を作ることは多くの人が思っているよりもずっと敷居が低くなってきています。とは言えアメリカにおいてもまだまだ一般的とまではいかない状態ですが、私はこのようなペット信託は日本でこそ普及して欲しいなあと強く感じています。日本では、シニアと呼ばれる年代の方(どうかすると50代でも)が保護犬や猫を迎えることのハードルがとても高い状態です。保護団体によっては年齢だけで断られてしまうこともあると聞きます。確かに飼い主さんが犬よりも先に亡くなってしまうリスクは考えなくてはいけませんが、そういう場合のセーフティーネットを同居の子世代がいるということだけでなく、ペット信託という選択肢にまで広げられたらいいのにと思うのです。

若い頃よりも時間的にも経済的にも余裕が生まれ、犬を家族に迎えたいと思う年代の方々にとっては、ヤンチャな幼児期を過ぎた保護犬は相性のいいマッチングです。そういうマッチングの可能性を広げるために、こういう方法もあるのだと多くの人に知っていただけたらと思います。

【参考サイト】
ASPCA "Pet Planning"
Legal Zoom "Pet Protection Agreement"

 

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