作業犬エンジンの適正温度

藤田りか子

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スウェーデンから「犬と遊ぶ・レッスンテクニック」の著者であるイェシカ・オーベリーさんが2年前に日本にやって来た時、ドッグトレーナーが集うカンファレンスで講演会をしてくれたことがあった。犬と遊ぶ大事さ、が講演内容であったのだが、同時にイェシカさんは「アクティビティ・レベル」という概念も話してくれた。この言葉、スウェーデンでドッグスポーツをやっている人で知らない人はいない、北欧犬世界ではちょっとしたトレンド言葉だ。ただし、日本の講演の際では多くの人々がややこの言葉の意味するところに戸惑った。私が通訳を務めさせていただいたのだが、そのスキルが悪かったせいかもしれない(笑)。日本語にせず、そのままアクティビティ・レベルと英語のまま伝えたのだ。あとでよくよく考えたら、日本ではこの言葉を「テンション」という言葉に置き換えられる、ということに気がついた。ところで英語圏では日本語のニュアンスでテンションという言葉は使われない(緊張している、いうニュアンスなら英語でも使われる)。

イェシカさんによると、犬の「テンション(=アクティビティ・レベル)」を上げたり下げたりすることに遊びは大いに利用できる、ということだ。例えば投げては追いかけさせる、とか、ひっぱりっこを激しく行うなどを繰り返せば、犬のテンションは上がってくる。ただし、やたらと上げればいいというものでもない。犬が次に行う作業課題によって、このテンションのレベル自体も異なるからだ。例えばアジリティなど、瞬発力と集中力を要するようなドッグスポーツをやるときは、当然、犬のアクティビティ・レベルは高い状態にある方が好ましい。しかし、嗅覚を使う作業(麻薬探知やトラッキング)では、丁寧にニオイを取らなければならない、ということで、アクティビティ・レベルは高すぎると、パフォーマンスの正確さにかけてしまうだろう。オビディエンスの競技をおこなうときは、ちょうどその中間ぐらいだろうか。車のエンジンが作動するのに適正温度というものがあるが、犬に作業をしてもらう時も、まさにアクティビティ・レベルの「適正温度」がある、と考えるとわかりやすい。

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スウェーデンで「遊び」についての講習会を行うイェシカ・オーベリーさん

犬自身も、どのアクティビティ・レベルにするべきか、トレーニングを通して学んでくれるものだ。例えば私がラッコとともにレトリーバーの回収技をトレーニングするときは、フィールドに入り向こうにダミー(物品)を投げる人を見た途端に、テンションが上がる。特に発砲音を聞いたときは、体がガタガタと震えている。期待感が高まり、興奮がピークに至っているのだ。実は、ここまで興奮している状態では、探して回収をさせる、というパフォーマンスには良くない。そう、すなわちラッコは適正温度圏内からすっかり外れるほど、沸騰している(というわけで、よくあまり指示を聞かずに勝手に草原を走り回っていることもよくあるのだ)。一方で、嗅覚を伴うスポーツ(ノーズワークなど)をするときは、たとえ用意をしている間でも、ラッコの体は全く震えない。あれほど大好きなアクティビティにも関わらずだ。つまり嗅覚作業をするときに必要なアクティビティレベルを彼は経験を持って、学んだ結果とも言えるだろう。面白いものだと思った次第だ。

 

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