動物愛護団体ランコントレ・ミグノン代表、友森玲子さんインタビュー(1)

尾形聡子

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東京は中野区という都会に、犬と猫それぞれのシェルターを2ヶ所で運営している動物愛護団体『ランコントレ・ミグノン』の存在を知ったのは、みなさんもお馴染み、京子アルシャーさんから伺ったことがきっかけでした。ランコントレ・ミグノンの代表、友森玲子さんがドイツとスイスのシェルターを見学に行った際、京子さんがコーディネイトされたことがお二人の出会いだったそうです。住宅街の真ん中に、いったいどのようなシェルターがあるのだろう?という興味はもちろん、自動車という移動手段を持たない私にとって、電車で簡単に行くことができるのも大きな魅力でした。毎月2回、シェルターで開催されている譲渡会を見学させてもらいつつ、代表の友森さんにお話を伺ってきました。

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毎月2回、第2日曜日と第4土曜日に開催されている譲渡会。シェルターはとてもきれいに管理されていました。

趣味で始めた保護活動

「本格的に活動を始めるきっかけとなったのは、トリミングサロンを開業するときに借りたお金を返し終えたことです。」

友森さんの現職はトリマーさん。トリミングサロンを経営するかたわら、なぜ保護活動を始めるようになったのでしょうか。

「月々の返済がなくなったので、その分で何か新しい趣味を始めようかなと思いまして。その時に、どうせ何かするならば犬や猫などの動物を助けられたらいいかなと。職業柄いつも犬と触れ合ってはいますが、それとは別に保護活動は趣味といいますか、気分転換をしようと思って始めたんです。」

まず手始めに、いくつかの愛護団体にボランティア登録をして、実際にボランティアをすることから始めたそうです。

「ボランティア活動を経験してみて分かったのですが、意外なことに、愛護団体にはペット関連業種の方があまりいないんです。一般の愛犬家の方たちが集まって、ああでもないこうでもないと右往左往しながら大変な状態で活動をしているのを目の当たりにしたことから、もう少し効率よく保護活動ができるのではないかと思いまして、2007年に自分で団体を立ち上げました。効率よくという言葉を使うと多少聞こえが悪いといいますか、よくない印象を与えてしまうかもしれませんが、最低限の労力と費用で保護活動をしていくことができるかもしれないと思ったからです。始めるからにはすぐにやめずに、細々とでもいいから続けていこうと思って始めました。それは今も変わらず、とにかく続けていくことを大前提に活動しています。」

もともと動物病院で看護師兼トリマーとして働いていた友森さんは、これまでの経験と資格を活かしていけること、さらには動物病院やご自身の店で扱っているフード関連の業者との関係もあり、ふと気づけば、まさに効率よく団体を運営していくための環境が整っていたといいます。

「学生時代にアルバイトをしていた動物病院や主人の弟の動物病院など、何ヶ所か提携している動物病院があります。また、トリミングサロンを始める前に働いていた動物病院も、快く協力してくれています。どの病院へ行っても、"また連れてきたのか!いったい何頭保護してるんだ!"と怒られながらではありますが(笑)。フードも、以前はパッケージに傷がついているような訳あり商品をとても安く譲ってもらっていましたが、今では送料だけこちらで負担する形で寄付していただいております。ともかく、最初になかったのは人手でした。保護活動を始めた当初は、トリミングサロンのお客さまが協力してくださったんです。 "こんなかわいい子が殺処分されてしまう運命だったなんて..."と、私が店で忙しくしているときには散歩に連れ出してくれました。そこから、お散歩ボランティアをスタートしてみることになったんです。」

またランコントレ・ミグノンでは、犬や猫に限らずウサギやエキゾチックアニマルなど、動物種を問わずに保護活動を行っているそうです。

「動物のターゲットも絞っていませんが、年齢も全く関係ありません。愛護センターでボロボロになって倒れているような余命わずかな老犬でも、期限が切れると引き出してきます。連れてきて数日で具合が悪くなり、1週間くらい入院して治療をしたけれどもそのまま亡くなってしまった犬もいたことがありました。」

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東日本大震災をきっかけに、ドイツとスイスのティアハイムの見学へ

「東日本大震災のあと、千葉県の東金市に被災動物のシェルターを急いで作ったのですが、想像以上にいろいろなことが大変でした。」

初めて経験したシェルターの設立。そこから、果たしてシェルターの設立や運営方法はこれでいいのか?と疑問を持つようになったといいます。

「日本国内ですと、なかなか身近にシェルターがないじゃないですか。なので、動物福祉の先進国のドイツとスイスのティアハイムがどのようなものか、実際に見てみたくなったんです。とんとん拍子に計画が進んで、震災が起こった年の11月にティアハイムの見学に行ってきました。たくさんのティアハイムを見て、話を聞いてきました。」

もともと動物福祉が進んでいるドイツやスイスに対して憧れを抱いていた友森さん。しかし実際に行ってみると、その気持ちは少し変化したようです。

「日本は動物福祉が遅れているから、日本が嫌になったらドイツやスイスに移住してしまえばいい、ぐらいの気持ちを持っていました。動物が幸せに暮らしている国に行けば、私自身もストレスを感じずに暮らしていけると思っていたからです。けれど実際に行ってみると、想像していたのとはちょっと違っていました。日本とあまり変わらない部分があると感じたのです。たとえば、ペットを手放す一番の理由は、バケーションに行くからということだと聞きました。ただし動物に対する法律がきちんと整備されていることや、寄付金のケタが全く違うので、動物たちをしっかり助けられる仕組みができているんだなと改めて感じました。」

帰りの飛行機の中から、日本なりのやり方があるのではないか?日本に合った動物を救う方法があるのではないか?と考え始めたと友森さんはいいます。

「日本人ならではの気持ちの優しさのようなものがあるじゃないですか。優柔不断ともいえるのかもしれませんが、決してドライではない国民性がいい方向に向かっていけば、うまくいくかもしれないと思うようになったんです。ドイツの一番大きなティアハイムはとにかく設備も素晴らしいのですが、そのようなティアハイムはどうしても車を使わないと行けないような場所にあります。やはりとても憧れるのですが、そのようなシェルターが日本の生活スタイルにピッタリ合うかといったら、決してそうではないと思うんです。東京での一般的な暮らしを考えますと、都心に小さいシェルターをつくって皆で世話をすることができれば、維持費もそれほどかからずに運営できるのではないかと、それがもっとも現実的なのかもしれないと思うようになっていったんです。」

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漠然と大きいシェルターに憧れていた友森さんが、実際にドイツやスイスに行って見て感じて得たヒントから、中野のシェルター開設へとつながっていくことになったのです。

「東金に作ったシェルターも不便な場所にありました。都心からかなり離れていますので、ボランティアさんがそこまで行くのも大変でしたし、動物病院もシェルターから離れた遠いところにありました。そして冬は寒く、夏は暑い山の中だったんです。そこは人間にとって過酷な環境でしたから、犬にとっても過酷なはずだと思いました。そんなこともありまして、東金のシェルターを閉めて中野に引っ越してくることにしたんです。」

シェルターは山の中など人里離れた場所にあることが多いため、よほどの覚悟がないとそのような場所へはなかなか足を運びにくいものです。

「シェルターの場所はとても大切だと思います。日々の世話のしやすさや動物病院への通いやすさなどもありますが、実際に家族に迎えてくれようとしている人々にとっても、シェルターがある場所というのは大きいのではないかと。東京で仕事をして家族と暮らしているような方が、お休みの日に半日かけて山の奥まで犬を迎えに行こうと、果たしてどれほどの人が思うでしょうか。きっと少ないのではないかと思います。そもそも東京で車を持っている人じたい、決して多いとはいえませんよね。それならば、電車を使って家族みんなでどんな子がいるのか見に行けて、たとえその時に気に入った子がいなくても、来月また来てみようね、といえるような場所にシェルターがあるほうが現実的で、譲渡のスピードが早くなるのではないかと思いまして。たとえ犬舎の数が少なくても回転を早くすることができれば、多くの動物を助けられるのではないかと思ったのです。」

そうして2012年、東金シェルター設立の翌年に、東金から中野にシェルターを移すことになりました。

「実際中野に移ってきてからは、それまでよりも譲渡するまでのスピードが速くなりました。また、ボランティアさんも集めやすいです。東金の時には駅までボランティアさんを車で迎えにいかないとならなかったのですが、今では地下鉄で通ってもらえますからね。」

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