犬の寒さ対策

京子アルシャー

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今年もあと1ヶ月を切り、いよいよ冬到来。私の住むベルリンでは例年より3週間遅れでマイナス気温が押し寄せ、うちの犬にもようやく防寒着を着せての散歩となった。

犬は暖かい室内から寒い戸外へ出るとちょっと身をぷるぷる震い、勢いよくダッシュする行動を示すが、これはヒトでも見られる「うわっ、寒い!」といって体を縮ませる反応に似ている。体が寒さを感知して急速に筋肉を縮ませ、熱の放散を防ぐと共に筋収縮により発熱を行うのである。童謡「雪」の「犬は喜び庭かけまわり」というフレーズを聞く度、私にはただ喜んでいるというよりは寒さを解消するためにちょっとハイになっている犬の姿が思い浮かべられて仕方がない。この時期ばかりは熱遮断効率の高い脂肪を日頃から貯め込んでいる肥満犬こそ、その脂肪のメリットを唯一生かせる皮肉な時期でもある。

しかしうちの犬はサイトハウンドなので体脂肪が少なく、とにかく動いていないとすぐに寒さで体が冷え、ぷるぷると震え出す。立ち止まる度にぷるぷると震える犬を連れて散歩するのはあまり心地よいものではないうえ、下手するとただでさえやせ細った犬が震えているのを年配の人などが見て「かわいそう」と言われるのがオチであるので、うちの犬が初めての冬を迎えた当時、私は早々に防寒着を買ってやった。といっても当時のドイツでは犬が防寒着を着るなどという概念がなかったので、普通にペットショップで買えるわけもなく、愛犬家の営む小さな工房に頼んで作ってもらったのだった。

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近頃ヨーロッパでよく売られているコートタイプの防寒着。ちょっと厚手だが、丈夫で防寒効果抜群。

数年前でもまだドイツでは防寒着を着たうちの犬を見て笑う人が少なくなかったが、今では風潮として駅のホームや店の前などで待つ間、ぷるぷると寒さに震える犬の姿をかわいそうと思う人が増え、また機能性を重視したシンプルでスポーティーな防寒着が数多く出回るようになったことから、ドイツでも犬の防寒着が市民権を得つつある。痩せ犬の飼い主としてはありがたい限り。

防寒着はフリース生地だけのものよりも、フリースと撥水性のある生地を表裏に組み合わせたものの方が犬の発する熱が防寒着内側に留まり、保温効果は高い。ヒト用の防寒着に比べれば犬の防寒着などはかなり薄手なのに、それでも1枚あるのとないのとでは骨身への寒さの染み具合は違うようだ。犬の場合、体幹がしっかり保温されている限り、四肢の保温も対向流熱交換システムによって守られているので、なおさら体幹の保温は大事なポイントになる。

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高齢犬になると心臓機能が弱まることも相まり、腎臓への血行を滞らせないためにも体幹の保温は極めて重要となる。

これが小型犬になれば、もっと寒さへの心配は深刻だろう。体が小さくなればなるほど体積に対する表面積の比が大きくなり蓄熱効果が弱くなるため、小型犬は大型犬よりも寒さに敏感である。大きさだけでなく、毛の長さや体格(胴回りの太さ)、さらには疲労や空腹の状態によっても寒さへの感度は異なるほか、もちろん犬種による差もあり、寒冷地で生まれた犬種の多くは寒さに強い傾向、生まれつき備えた毛並みのお陰で防寒などは必要がないどころか、逆に言えば日本のような猛暑が苦手なことが多く、温暖な地で生まれた犬種は寒さに弱い傾向を持つというのは、誰もが納得できることだろう。

寒さに弱い個体には一日の食餌量を回数を増やして与えると、その都度すぐにエネルギーを置換することができ、過ごしやすくなる(一日の量はさほど増やさないことに注意!)。そして日本ではとにかくいろんなデザインの犬の洋服が売られているが、防寒着こそデザインよりも機能性重視、厚手にならずできるだけ犬の動きを妨げないものを選びたい。

寒い時期には運動にも少し気を遣い、例えば車でドッグランにやってきていきなり柵の中へ放り込んだり、家の前から自転車引きをすぐに始めるのではなく、まずは軽いウォーミングアップとしてリード付きで少々歩き、寒さで硬くなりがちな関節廻りの血行をよくしてから運動に入るのがオススメである。普段の運動不足を解消させたいならなおさらのこと、急に激しい運動をさせることは避けたいものだ。犬が体を動かし、パンティングするようであれば防寒具は早めに脱がすことも忘れずに。

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ウォーミングアップができたならば、爆走時はもちろん防寒着なしで。そして爆走後には体が冷えないようにまた防寒すること。

寒さ対策のついでに話しをするならば、もしも部屋の中で犬を留守番させるとき、寒い部屋ではかわいそうとエアコンを付けっぱなしで出かけるのも手だが、オイルヒーターなどを付けっぱなしで出かけられない家庭の場合は、実は犬のベッドに湯たんぽを置いていくのも、犬が静かにベッドで寝て過ごすためには良い方法である。犬が寄りかかりやすいように柔らかい素材のものを毛布の下に忍ばせておけば、初めのうちはおっかなびっくりの犬でも、暖かい場所はすぐに覚えるもの。犬さえ慣れれば、電気代もかからず安全なまさに暖かいベッドができあがり、犬の体は芯から温まる。

また、冬場に犬を車中で待たせることは、夏場の猛暑同様基本的にはしてはならないことだが、1時間程度ならば湯たんぽを使えば暖かさを確保することができるので、防寒着とのコンビネーションで上手く利用したいところだ。

冬はまだまだ始まったばかり、寒いからと言って籠もってばかりではかえって体調を崩しやすくなるのは犬も然り。天気の良い日こそは多少寒くても、しっかり防寒して飼い主と犬共々元気に散歩に出たい。

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