ドッグ・トレーニングとユーモア

藤田りか子

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2週間前にドッグ・アクチュアリーニュースで少し紹介をした犬のボディランゲージ本の第2弾「ドッグ・トレーナーに必要な犬に信頼されるテクニック」が、2日前にいよいよ発売となった。私と、デンマークの友人であり動物行動コンサルタントのヴィベケ・リーセとの共著の本だ。おかげさまで売れ行きは好調!
1年前に出した第1弾目との大きな差は、ボディランゲージの読み方だけではなく、犬をトレーニングする私たち(素人、トレーナーを含めて)の態度なども大きく取り扱っていること。そしてヴィベケとの交流の中で本書を作成するというのは、私自身の大きな成長ともなった。ヴィベケが絶えず口にしていた
「トレーナーたるもの、いつもユーモアを忘れずに!」
という言葉は、一見なんてことはないありきたりのフレーズなのだが、これが噛み締めてみると実はとても奥が深い、そして大事な態度であるということを、著者ながら私も学んだ。

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このユーモラスなシーンは、ヴィベケが開催した初心者のためのクリッカートレーニング教室。左にしゃがんでいる飼い主は口にくわえたトリーツを犬に取らせようとしているのだが、さて、ここに見る犬のボディランゲージは?

簡単に言えば、「余裕を持って犬と接しよう!」ということになる。ただし、この余裕を持つには、犬の行動を見て笑い飛ばせるほどボディランゲージに精通した読解力も必要だ。のみならず、この態度はトレーナーが飼い主に接する時にも大事なものだ、とヴィベケは語る。

「キリキリしだすと飼い主のボディランゲージを読めなくなるどころか、彼らが潜在的に持っているいい面も引き出せなくなるでしょう。余裕があればこそ、飼い主のいい面を見ることもできる。そこから、どうして彼らの犬の訓練がうまくいかなくなったのか、批判せずに導いてあげることもできる。さらに、私たちがキリキリとした態度を取っていればその態度は飼い主に伝わり、彼らもストレス状態にしてしまう。ストレス状態になれば、ヒトだって学習すべきことも学習できなくなる。まさに犬のトレーニングと同じです」

絶えずどこかに笑いを見いだす。そんな飼い主への余裕の持ち方も、やはり飼い主のボディランゲージを見るトレーナーの力量に関わるところだと私は思う。上の写真を見てほしい。これと似たシーンが、第2弾のボディランゲージ本の第9章に記載されているので参考にされたい。何がこの写真のユーモラスさかというと、飼い主が自分の口にくわえたトリーツを使って伏せからお座りのポジションへと犬の行動を引き出そうとしているのだが、今ひとつタイミングが合わず、そのうち犬が遠吠えを始めた。

この一連の犬のボディランゲージの中でトレーナーが見るべき箇所は、まず犬がどうして遠吠えを始めたかということ。犬は飼い主が自分の顔面のすぐ側で何をやっているかわからず、ストレスに感じ始めた。そしていかにもアラスカン・マラミュートらしく、「オォ〜ン、オォ〜ン」と長く引っ張るように吠えることで、フラストレーションを解こうとした。そしてトレーナーならば、これら一連の飼い主の行動の中で見るべき箇所は彼のタイミングの悪さなのであるが、ヴィベケは決して飼い主を批判しなかった。それよりも、彼の間違いを笑いで吹き飛ばした。

「あはは!まるで犬に土下座して何かを請うているようよねぇ。可笑しいったら!」
ヴィベケはクスクス笑いながら飼い主の所に行って、彼にトリーツのタイミングをどう合わせるべきかを指導した。しかし、どうも飼い主は相変わらず要領を得ずに、同じことを繰り返した。

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訓練は明るく楽しく!とヴィベケ(写真右)

「いいの、いいの、これで。こうして笑いをたくさん交えることで、飼い主がリラックスする。すると犬もリラックスする。そして飼い主の、トレーニングをしたいというモチベーションはさらに高まり、失敗に関わらずまたこのコースへやってくる。そうこうしているうちに、ある日、トリーツのタイミングを学んでくれるものです。そうすると、もっとトレーニングしたいと飼い主の士気は高まり、それがたくさんの犬とのコンタクトを培う機会となるんです。」

ただし、犬が戸惑っているときの行動や転位行動の意味をしらないと犬の感情が読めないので、この飼い主と犬とのユーモアをなかなか理解はできないだろう。
目をそらす犬を「この犬は言うことを聞けない、単なる馬鹿犬じゃないですか」などと解釈したら、一体どこにユーモアを見つけることができるのだろう。犬の感情を読めるというのは、問題行動へのよい防御策ならず、自分と愛犬との世界を豊かにしてくれる大事なツールとなると思うのだ。

 

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