ペットショップ新条例、ロサンゼルス市の場合

ガニング亜紀

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(photo by viking)

熱狂のアメリカ大統領選は幕を下ろしましたが、そのちょうど1週間くらい前にカリフォルニア州ロサンゼルス市で、ある条例が可決されました。

条例の内容は、ロサンゼルス市内にあるペットショップ、その他小売店や商業施設において、営利的に繁殖された犬、猫、うさぎを販売することを禁止するというものです。

新しい条例の条文では「営利的に繁殖された犬・猫・うさぎの販売は、行くあてがなくアニマルシェルターで命を終える動物が増加する一因となっている。これら営利的に繁殖された犬・猫・うさぎの店頭での販売を禁止することは、アニマルシェルターにおける動物の殺処分率を低下させ、譲渡率を上昇させるために有効である。」と述べています。

ここで言う「営利的に繁殖された犬・猫・うさぎ」と言うのはパピーミルやキティファクトリーと呼ばれる、大規模で非人道的な商業的繁殖施設や、無許可で繁殖〜販売を行うバックヤードブリーダーのことを指します。

条例の施行は来年の6月からで、それ以降は実質的にロサンゼルス市内で犬・猫・うさぎの生体展示販売を行うことは違法となります。条文では「ただし、公営のアニマルシェルターまたは市の認可を受けたNPO団体やレスキューグループから来た動物は除く」とされています。これはもちろん、アニマルシェルターから動物を仕入れて店頭で販売するという意味ではなく、現在もう既に大手のペット用品店チェーンが行っているようなシェルターの動物の譲渡会のことを指しています。ペットショップが店頭で保護動物の譲渡会などを行う場合は、正式に認可されている団体から来ている動物であることを示す証明書を呈示することが義務づけられます。

同様の条例は北米の他の都市でも数多く施行されていますが、ロサンゼルスはその中でも最大の規模の自治体であるため、他の州の自治体への影響も大きく、現在シカゴでもロサンゼルスと同様の条例が検討されているところです。

しかし、この条例案が可決されるまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。当然ながら小売店側からの反発もあり、またペットショップでの動物の買い手である一般市民からも「動物をどこから手に入れるかは市民の自由であるはずだ」という声もあがっていました。

条例案は、長年にわたって動物福祉に力を尽くして来たポール・コレッツ市会議員を中心に作られて来ました。また今回の条例可決に大きな役割を果たしたのは、全米で最大の規模の私営動物保護団体ベストフレンズアニマルソサエティでもありました(ベストフレンズアニマルソサエティとロサンゼルス市のコラボレーションについては、この記事で詳しく書いています)。同団体のパピーミル対策部門責任者であるエリザベス・オレック氏は、コレッツ市会議員とともに市長や市検事に2年半に渡って働きかけてきました。そこには、パピーミルへの潜入調査の報告なども含まれています。このペットショップ新条例は、議員と民間団体、それを応援する市民の声、そして行政の共同作業の賜物なのです。

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店頭での動物の販売を禁止するこの条例では、許可を得て個人で活動しているブリーダーは対象になっていません。ロサンゼルス市では犬や猫を繁殖して販売をする場合、動物1頭につき年間120ドルの料金を支払って許可証を発行してもらわなくてはなりません。許可証は1家庭に対して2通まで発行され、1頭の動物は1年に1回の繁殖しか許されていません。

許可証申請以前の90日以内の間に動物が獣医での健康診断を受けていること、過去に動物虐待やネグレクトの前歴がないことなどの条件が課せられ、さらに、出産後は産まれた犬や猫が生後8週齢に達するまで母親から離すことの禁止、ワクチン接種をしていない幼齢動物の販売や譲渡の禁止といった規制もあります。

これらの要件を満たさずに動物の繁殖を行い、売買することは、違法なバックヤードブリーダーとみなされ取り締まりの対象となります。

2013年6月以降、ロサンゼルスにおいて犬が欲しいと思った人はシェルターや保護団体からアダプトするか、責任ある個人ブリーダーから直接子犬を購入するか、どちらかの選択になるということです。

2011年度のロサンゼルス市のアニマルシェルターに連れて来られた犬の数は約35,000頭、猫は約22,000頭。そのうち、犬の25%、猫の57%が殺処分となっています。治療のできない病気や怪我、改善不可能とされた問題行動などの理由よりもずっと多い主な殺処分の理由は、「貰い手がみつからない」というものでした。

健康で、人間の素晴らしい伴侶になる可能性のあった動物達が無駄に命を落とすことがなくなるよう、条例が正しく運用され、幸せな動物と人間が増えることを願って止みません。

<関連記事>
生体展示販売禁止、アルバカーキー市の場合

<参考サイト>
http://clkrep.lacity.org/onlinedocs/2011/11-0754_rpt_atty_9-20-12.pdf

 

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