GREEN DOG

2012年2月23日 ,

ジャックラッセルテリア飼育奮闘記 (26) 犬を飼うハードル

史嶋桂

P2183209.jpg写真は冬期で閉鎖された雪の金精峠を散歩するジャックラッセルテリアのマイロとジャンです。僕は週末、こんな風に犬を放して一緒に遊べるところへ出かける様にしています。もちろん普段から雪が降っても、霜が降りても、毎日朝晩の散歩は欠かしません。きちんと社会化された犬にとって、散歩はただ楽しいだけでなく、とても重要な事だと考えているからです。ちなみに僕は昨年春の震災以降、公共交通機関に頼らず自転車で通勤することにしました。公共交通機関がいざと言う時には頼りにならないものだと痛感したからです。そのため毎日目黒・登戸間往復30km強をMTBで往復して帰宅すると、たいてい日が暮れていますが、とりあえず自分の事は後回しにして、犬の散歩に出ます。それが犬を飼う者の使命だと考えているからです。

でもそんな風に毎日犬と散歩をしてきた御蔭で、長い距離を歩くことも、毎日の自転車通勤も、それほど苦にはなりません。これは毎日犬と散歩する事で、暑くても寒くても、自分の脚で長時間歩き続ける事に慣れていた御蔭だと思います。震災の時出先から20km歩いて帰宅した時も、夏、台風で電車が止まり品川から目黒まで歩いた時も「マイロとジャンがいればよかったのに」と場違いな事を考えてながら普通に歩いて帰宅できました。

P2183111.jpgそんな風に飼い主が犬と毎日散歩に行く行為は、本来犬を飼う上で必須の事だと思います。それが猟犬であれば、実猟に使わないまでも、写真のマイロたちが鹿の臭跡を追っているように、山野で獲物の跡を追わせ猟のまねごとくらいはするべきでしょう。

ところがペットの量販店で交わされるセールストークの中には、時々とんでもない内容が含まれています。

実はそうした行為は、犬を売りやすくするために、犬の飼養のハードルを下げようとする、ある意味、犬を売る立場の人間なら絶対やってはいけない行為なのです。

以下は実際にあった話です。

僕と家族は、マイロというジャックラッセルテリアを一年間、試行錯誤しながら、毎日散歩させ、訓練して、なんとか家庭犬として通用するレベルに育ててきました。その後、二人の子供が一匹ずつ犬を欲しがった事に加え、今までの経験から、やはり犬は二匹以上で飼うべきだと考え、二匹目もジャックラッセルテリアを迎え入れようと考えました。なぜならジャックラッセルテリアは単なる遊びですら喧嘩のように激しく、他の犬種に毎日その相手をさせるのは無理があるだろうと考えたからです。 

P2042816.jpg候補はすぐに見つかりました。家の近所のペットの量販店の店頭で、売れ残り犬としてラフコートのジャックの子犬が安売りされていたのです。彼はギャンギャンけたたましく啼き続けるマルチーズと一緒に、多頭飼い用のケージで飼われていました。マイロとケージ越しに挨拶を交わし、お互いに気に入った様子でしたし、同居犬が吠えても、むやみに吠えない点にも好感が持てました。がりがりに痩せているのと、コートがまばらなのは気になりましたが、それは良い餌を与えて、きちんと飼えば解消するだろうと思いました。

その子犬を買おうと決めた時、店長から言われた言葉は以下のようなものでした。

「この子は、ずっとケージ暮らしだったので、あまりお散歩には出さなくても大丈夫です。そうですね、週に2~3回、一日30分くらい散歩すれば十分だと思います」

僕は意外に思い、思わず聞き返してしまいました。

「あの、この犬はジャックラッセルテリアですよね」

「はい、JKCの血統書もお付けしますよ。今ジャックラッセルテリアは大人気で、結構良いお値段するんですが、この子は4カ月を過ぎてしまったのでお安く提供しているんです。ロングコートなので、ちょっとジャックっぽくないですが、とてもお買い得ですよ」

僕は横でおとなしく座っていたマイロを指差して言いました。

「実は今飼っているこの犬も、お宅の他の店舗で買ったのですが、毎日10kmくらい散歩して、千本ノックなみのレトリーブ訓練をしないと、室内でおとなしくできないのですが」

「それは・・・運動させすぎなのでは」

「失礼ですが、ジャックラッセルテリアってどんな犬かご存じですよね?」

「ええと、映画のマスクで有名になった犬ですね。あとこの頃はシャープのコマーシャルにもよくでてますよ」

おいおい、映画とコマーシャルでしかジャックラッセルテリアを知らないのか?
僕は思わず、心の中で突っ込んでしまいました。

「それ以外は?」

「たしか、犬の名前は作出者のジャックさんにちなんでつけられたんですよね」

「このお店では、よくジャックラッセルテリアを売っていますよね?」

「ええ、ビーグルより小さくで、白くてかわいいブチがあるので、今、人気急上昇中の犬ですよ」

だめだ、こりゃ・・・

僕は、それ以上、この店長との会話をするのを諦めました。この店長にとって、ジャックラッセルテリアの子犬は、外観が可愛くて、映画やCMで有名になったことで、良く売れる犬、と言う認識しかなさそうだったのです。もっと酷かったのは、売買契約書にサインが終わってから、子犬の病歴の説明があったことです。

「言い忘れてましたが、実はこの子はお店に来た直後に疥癬を発症してしまい、ずっとうちの付属病院で同じ病気の犬たちと一緒に治療を受けていました。今は完治しているので大丈夫です」

これが、サインが終わって、家内が子犬を抱き上げた瞬間に聞かされたセリフでした。子犬は家内の膝の上から、僕に訴えるような視線を送っていました。その目は「早くこんなところから連れ出してください」そう言っているように思えました。

P2042899.jpg

結局僕は、お金を出して買ったのに、まるでこの子犬を救助したような気分で帰宅する事になりました。 その時買った犬が二匹目のジャックラッセルテリア、写真のジャンです。ちなみに彼はマイロ以上に元気でタフな犬でした。駒沢のドッグランまで自転車について自走し、ドッグランで遊び倒し、また自走で帰宅するような犬でした。コートが厚いせいか雪の中でも元気いっぱいでした。こんな犬を週二回の散歩だけでケージに閉じ込めておくなんて拷問に等しい行為だと思います。

商業主義に則って犬を売ろうとする商売人にとって、犬の評価は売れるか売れないか?もっと言ってしまえば、高く売れるかどうか?という評価しかないように思えます。

子犬の病歴を最後まで告げなかった事も問題ですが、一番の問題は、毎日最低2~3時間は散歩と訓練と運動に費やすべき犬種に対し、一週間に2~3回程度の30分の散歩で良いと、この犬種を飼う上でのハードルを安易に下げようとした態度だと思います。

ジャックラッセルテリアは確かにカワイイ外観の小型犬です。特にオーストラリアで改良されつつあるプディングタイプと呼ばれる短足な犬は、性格もイギリス本国産より多少はマイルドだと言われます。

しかし実際に二匹のジャックラッセルテリアを飼ってみた実感としては、どんな大型犬でも恐れずに向かって行く勇敢を通り越して無鉄砲な犬、野生の小動物を見れば追いかけて咬み殺さずにはいられないテリアそのものの犬、そして社会化不足で訓練未了なら、よその犬だけでなく、人間にさえ平然を咬みつき、大怪我を負わせかねない犬と言うのが僕の正直な感想です。

ジャックラッセルテリアを飼うのであれば、イギリスのキツネ狩りという、動物愛護団体から非難されている年中行事の事から勉強し、この犬種がキツネ狩りのために、どのような目的で育種され、作出者のジョン・ラッセル牧師自ら「この犬種は実猟のための犬で血統登録犬には向かない」とされた理由も十分理解して飼うべきだと思います。

P2183082.jpg

もう一つ、ジャックラッセルテリアは最低限の服従訓練が必須の犬です。僕のように山の中で放して自由に遊ばせようと思ったら、写真の呼び戻しとリードなしのヒール訓練くらいは確実に入れなくてはなりません。そうしないとリードから放したとたん行方不明になってしまい、救助隊の編成が必要になるような無鉄砲で猟欲が強い犬だからです。さらに街中で飼うのであれば、JKCのBH(同伴犬訓練)相当の訓練も入れるべきだと思います。ある意味、小型犬の中では、もっとも訓練難易度の高い犬であり、初心者にはとてもお勧めできない、ハードルの高い犬なのです。

P2183226.jpg

商業主義に則って犬を売っているだけのペットの量販店の多くは、こうした犬を売る上で不利な情報を未来の飼い主である買い手に十分伝えてくれません。

現状では、飼い主になろうとする人が、これから飼おうと思っている犬種について、元々の育種目的から歴史的背景まで自分で情報収集して、その犬の現状の問題点を良く把握し、その犬を飼う上でのハードル、つまり性格や運動量や訓練難易度等のハードルを、ちゃんと越えることができるか、自分で判断するしかないのです。

それをせずに、安易に犬を選び飼おうとする行為は、犬だけでなく、飼い主家族全員を不幸にする可能性が高い無謀な行為です。そして、それは安易な飼育放棄にも繋がりかねないのです。

このように犬を飼う上でのハードルは、たくさんあり、それは決して低くない事を、これから犬を飼おうとする人は十分認識すべきだと思います。たとえば猟犬を飼うのであれば、写真のジャンのようにいきなり動物の死体や糞尿のなかで転げ回っても平然と対処できるような度量も要求されるのです。

P2042871.jpg

もし、あなたが今、ジャックラッセルテリアを飼いたいと考えているなら、そういう超えなくてはならないハードルがたくさんある犬だと認識される事をお勧めしたいと思います。


史嶋桂

コメント

はじめまして。
ブログ、大変興味深く拝見させていただいています。
家にもアメリカンコッカー(♂・去勢済)が一頭います。このコもペットショップから
迎えたコでした。ビビリで社会性がなく(これは飼い主である私の責任です)
人にも犬にも吠えまくりです。小さい頃は人や犬に対してそれほど吠えなかったのですが
その後に妹分に迎えたコ(アメリカンコッカー・♀)がギャンギャン吠えるタイプの
コだったので、真似したのか?吠えるようになりました。
又、基本ビビリの余りに咬む事があり、それは矯正しなければ・・・と
いろいろ試行錯誤しましたが、まだビビリの克服には至っていません。
散歩は毎朝行っていますし、休みの日には長めの散歩もしています。。。が
運動量もきっと足りていないのだろうと思っています。
ブログを読んでこれからもいろいろと勉強させていただきたいと思っています。

コメントご無沙汰しております。毎回興味深く読ませていただいております。

史嶋さんのお陰で、三太も今年夏で5歳になりますが、何とか楽しく一緒に生活しております。
今朝も雨降りでしたが朝5時に起きてきっちり1時間6kmの散歩をしてから出社しました。(私は電車通勤ですが)
暑くない天気の良い週末には一日で20kmの散歩をすることがあり、犬を飼う前では考えられないことです。(それでも、2日続けるとよる年波には勝てず、翌日心地よい筋肉痛が残りますが。)
私も、JRTの散歩をきちんとしなければならないことを、このブログで教わり知らず知らずのうちに自分の体力も付き、贅肉も落ちました。

三太は、散歩の際にノーリードにしても専ら臭いを嗅ぎ回りマーキングしているのですが、結構遠くまで行ってしまっても「三太帰るぞ」と呼べば戻ってこれるようにもなり、史嶋さんのアドバイスの賜物と感謝しております。

ところで、雪で閉鎖された道路って魅力的ですね。関東では1年に積雪があるのは1~2日程度なので、こんな環境で思いっきり走り回らせてやりたいと羨ましいです。(でも三太はこんな環境でもマーキングでしょうけれど)

これからも、貴重なアドバイスを楽しみに期待しております。

P.Sジャン君は完治されたようですね。ほっとしました。良かったです。

犬と人の間でのみ作られる、あの独特の関係は、猟のような目的の定まった誘導作業・共同作業のない現代では、散歩でこそ強固になると思います。
ただ歩くだけ、トイレに出るだけ、好きに遊ばせるだけ、ではせっかく散歩に出ていても犬とのつながりは築けないけれど、質の良い散歩を飼主から提供し与え続けることによって、たくさんの反応が返り、犬とのパイプがどんどん太くなることを実感します。
家でもトレーニングや知的遊びなどで関係は深められますが、障害のない狭い世界で作られた絆は恐怖や興奮など刺激だらけの外界という本番に対する予行練習でしかないと思います。
散歩(外)で、たくさん遊ばせ、頭を使わせ、トレーニングを織り交ぜることで産まれるあうんの呼吸。動じない絆を感じられる楽しさ。
散歩こそ飼主の度量が試される場であると思います。
「散歩は少なくてOK」このとんちんかんな情報が絶え、「どの犬種も質の良い散歩が必要」という情報が当たり前に伝えられるようになれば、手に負えなくなって捨てたり、鳴き声などで近所に迷惑をかける飼主も極端に減ると思います。

たまりんさん、初めまして、こんにちは

犬種がコッカースパニエルということですので、まず形質的な問題がないか確認することをお勧めします。本来スパニエルの仲間は温和な鳥猟犬ですが、レージシンドロームまたは激怒症候群と呼ばれる、先天性の病気を持っている可能性がある犬種群です。この件については、アルシャー京子さんや尾形聡子さんが詳しい記事を書かれていますので、そちらも是非ご確認ください。飼い主や家族をむやみにを咬んだりしない犬ならまず心配はないと思いますが…

http://www.dogactually.net/blog/2008/11/5---ecb5.html
http://www.dogactually.net/blog/2010/07/1-7847.html

レージシンドロームの疑いがないと分かった犬の場合は、犬の情緒を安定させる事を目的にした訓練によって、犬に「自分は飼い主に従っていれば危険も不安もない」という方向に持っていく方法がお勧めだと思います。

形質的な病気ではない犬が、他の犬や人を咬む原因の大半は、恐怖の裏返しによる反撃による場合がほとんどです。
獣猟犬であれば、獲物と誤認して相手を「襲撃」する事もありますが、スパニエルの場合は前者が原因の方が多いと思います。


具体的な対策として以下の訓練を強化する事をお勧めします。


・アイコンタクトを強化し、犬の名前を呼んだら、他の犬や人を一切無視して飼い主に注目する習慣をつける。
これは犬に認識のフレームを与え、フレーム外の事はとりあえず無視させてしまう手法です。この事により飼い主とアイコンタクトしている間、その犬は、他の犬や人を礼儀正しく無視できるようになっていきます。


・強い強制によらず、飼い主が確実に犬の上位者の地位を占める努力をする。
具体的な手法として首輪・またはハーフチョーカー首輪と短めのリードで、普段の散歩から脚側歩行訓練を強化し、犬に絶対に前を歩かせない訓練を心がける。この事により、犬から見て飼い主は徐々に頼りになる上位者とみられるようになり、飼い主に従って脚側行進したり、脚側停座している間は「自分は飼い主の庇護下にある」という認識を持たせ「他の犬や人が来ても恐れる必要はない」と安心感を与える事が出来るようになります。


恐怖の裏返しから攻撃に移り、他人や他の犬を咬む犬の場合、単に運動量を増やしても解決には向かいません。飼い主を信頼し、飼い主に守られている実感を犬に持たせる事が、問題行動解決への早道になると思います。

三太父さん、コメントありがとうございます。

いつもコメントを拝見して思うのですが、三太父さんと三太君の関係は、本当によい循環になっていると思います。犬を飼う事で飼い主さんもいろいろな経験値が増え、運動量も増え、犬の事をいろいろ考える事で、それがお互いに良い刺激として犬にも人にも返っていく。ある意味理想的な主従関係が構築できているのではないでしょうか?


>ところで、雪で閉鎖された道路って魅力的ですね。


そうですね。日本の場合、太平洋岸と日本海岸の中央分水嶺にある峠は、たいてい冬季閉鎖になるので、狩猟をしない猟犬にも良い運動場所になると思います。


ただ雪山は注意しないと犬も人も遭難の危険性があるので、最低でも雪山をハイキングするくらいの装備と予備の食糧と飲料は持って出るようにしています。それと犬も人も主要幹線道路から外れないように常に注意しています。主要幹線道上だけでも閉鎖された道にはウサギ・シカ・タヌキなどの足跡や排泄の跡があり、うちの犬たちは喜んで臭跡を追って行きます。


今回写真でご紹介した金精峠は、関越沼田ICから小一時間の位置にあり、サラサラのパウダースノーなので、歩くスキーやカンジキなどもお勧めの場所ですが、そこにたどり着くにはスタッドレスタイヤを履かせた四輪駆動車の方がお勧めかも知れません。


あと犬種によっては、足裏や脛の毛をカットしておく対策も必要です。基本的に犬の足裏のパッドは凍りませんが、洋犬で良く見られる絹のように細い体毛には雪玉がこびりつき、歩くのが困難になってしまう事があるからです。その点日本犬は全く問題ないので羨ましいですね。

匿名さん、コメントありがとうございます。

>「散歩は少なくてOK」このとんちんかんな情報が絶え、「どの犬種も質の良い散歩が必要」という情報が当たり前に伝えられるようになれば、手に負えなくなって捨てたり、鳴き声などで近所に迷惑をかける飼主も極端に減ると思います。


コメントをお寄せいただいた内容、本当におっしゃる通りだと思います。


犬を飼うと言う事は、毎日最低でも朝晩、犬と飼い主が散歩に出る事と同義だと僕は考えています。
よく犬の散歩をしていると「犬は飼いたいけど、散歩が大変でしょう?」と言いながら、犬をかわいがってくれる方がいます。そう言う方には、犬と出かける散歩が楽しいからこそ、犬を飼うのですよ、と返す事にしています。


よくしつけられた犬を連れて散歩している飼い主は、普通では得られない様な人間関係もたくさん構築する事が出来ます。たとえば僕くらいの年代の男性が、幼稚園児から老人までの、あらゆる年代層の人達と男女を問わず容易に知り合いになれる可能性なんて、犬がいなければほとんど考えらない事だと思うのです。


僕は犬を飼い散歩に出かけると言う行為そのものが、犬と飼い主の絆を深めるとともに、飼い主の社会的接触を広げる、またとないきっかけになると考えて毎日楽しく犬たちと散歩しています。

よく言われます。散歩大変でしょうと私はいつも全然大変って思ったこと無いのよ。かえって一人では歩けないけれど自然と歩くから健康を貰っていると感謝しているよとね。なんて今は言うけれど私も大型犬を飼うまでは散歩大変だろうと思っていたよ。飼う時に大型犬は朝晩1時間半位散歩したほうがいいと思うと言われました。びっくりしましたが飼ってみて納得。その運動量とラブと紀州犬のハーフからかしら~もっと行こうと誘われることはあっても早く帰ろうとは言わないもの。雪大好きな雪が全然降らない静岡なのでスタットレスに履き替えて毎年冬は雪遊びです。こんな経験は犬がいなくては決して出来ない体験で雪の中の彼は12歳の年齢を感じさせない元気印です。そして毎年いろいろな地方に旅行して出会う人は犬がいなければ出会わなかったであろういろいろな社会の方々で小さい子からお年寄りまで不思議と打ち解けて友達の輪を広げました。犬飼いたいと言う人で散歩が大変だという人にはきっぱりと散歩をしないのならば犬がかわいそうなのでやめたほうがいいよと言います。ベンが我が家の息子になって気持ちが優しくなりました。人にも心を向けることが億劫ではなくなりました。楽しいよね。毎日の散歩♪

私もよく言われます。
散歩は犬を独り占めできるから、楽しいですよ。と答えると怪訝な顔をされます。
先代の秋田雑種は排泄を済ませたらさっさと帰ってお家で遊びたい性格でしたが、当代の黒柴雑種は浜辺で半日遊んでも、まだ近所の農区を2時間散歩する性格です。
用事だけ済ませてさっさと帰る大きい犬と、地平線の彼方へ行きたがる小さい犬とを引き連れての散歩は飼い主にとっては散歩も楽しいが家で遊ぶのも楽しいという究極の選択でした。
色々とあった生い立ちなので随分僻んで育ちましたが、歴代の犬達の御蔭で何とか真人間になれました。十年余り続いた抑鬱が最悪の状態に陥らなかったのも、散歩に連れ出してくれた犬達の御蔭です。

あがさんの記事へのコメントにも書きましたが、日頃から犬の躾けや手入れをしていれば犬がどこかで誰かの目に止まって犬談義になった時、躾けの重要性と楽しさ、散歩の効能など、大変だけど自分で仕上げた犬が人様に褒められると我が事以上に誇らしく、嬉しい事を話してもっともっと自分の犬に手間と時間と愛情を注ぐよう、洗脳活動中です。

気分が乗ると30分から1時間半の散歩をする黒柴雑種の竹ちゃんですが、気分が乗らない時は立ち止まって考えます。
「どうする?帰る?」と聞くと、
「帰る。」と言うようにスタコラサッサと家路を急ぎます。
3年前に亡くなった先代の秋田雑種の松君は
「疲れた。車呼んでください」と言わんばかりに、道路にゆたぁ~っと寝そべってました。虚弱体質だったので、スタミナが無かったのかな、と今は思います。
そんな27キロ犬を担いで、15キロの犬を引いて約1キロの道のりを歩いて帰った思い出があります。

毎日の散歩も楽しいし、おもちゃ遊びも楽しいよね☆

ベンのママさん、雑種ばっかり30年さん、コメントありがとうございます。

やっぱり犬を散歩させていると「散歩大変でしょう」を言われる飼い主の方って多いのでしょうね。反対に「散歩が大変そうだから犬を飼うのを諦めている」と言う例も多そうですね。よく聞くのは「子供が犬を欲しがって飼ったけど、すぐに面倒を見なくなってしまったので、その家の主婦の方が散歩担当になっている」その結果、犬はその散歩に行くお母さんの言う事しか聞かないというパターンです。


犬にとって散歩は単なる遊びだけでなく、縄張りの見回りと擬似的な狩猟行為にあたるのだと思います。犬の祖先のオオカミの場合、狩猟=散歩に行くのは、子供を養っている両親や、自分で狩猟ができる大人のオオカミです。反対に巣穴やその近くで待っているのは、子供のオオカミです。つまり同居家族の中で散歩に出ない家族は、たとえ犬より年上でも身体が大きくても、犬から見たら「狩猟に行かない子供」とみなされているのかも知れません。


逆に犬を飼い続け、散歩に出続ける事で、健康なまま長命を保った飼い主の例も良く見聞きします。母方の祖父は第二次大戦中に膝に受けた負傷で生涯脚が不自由でしたが、自分の散歩専用に飼っていたダックスフントの御蔭で、明治生まれでしたが86歳まで生きました。


その祖父が亡くなったのは3匹目のダックスフントが死んですぐでした。祖父の日記の最後の方のページを見ると「キャシが死んでどうしたらよいか分からない」と言う記述が何度も続いてから途切れていました。愛する犬と散歩に出る習慣は飼い主にとっても重要な事のように思われます。

史嶋さま。こんにちは。

以前、雨の散歩を嫌う我が家のもも(JRT、メス7ヶ月)について質問させていただきました、荒川です。

今回の記事と、それに対する皆さんのコメントもまた大変興味深く、気持ちの引き締まる思いで拝読しました。

個人的にも共感する部分が多々ありましたので、こちらでコメントさせていただきます。


ももは、生後8週間のときに、ペットショップから我が家に来ました。

その店では、仔犬はそれぞれ段ボール箱に入れられており、エサの時間と、将来の飼い主になるかもしれない人間が時々頭上から顔を見せることだけを楽しみにしているようでした。

店長さんは、仔犬を購入する客に対して、どの犬種に関しても「2ヶ月間は段ボール箱の中で飼育してください。エサの時間に出して、少し遊び、また箱に戻してください」という説明をしていました。

この店長さんの言葉を鵜呑みにせず、JRTという犬に関してあれこれ情報収集し、早い段階で史嶋さまの記事にたどり着くことができて、ほんとうに幸運でした。

犬の飼育、犬との生活について、いろんな情報が蔓延する中、正しい認識を持ってそれを実行することの大切さ、そしてそれを実行しない飼い主が多い現実、これを改めて感じます。


話が前後しますが、早朝の短時間集中型の散歩についてのアドバイスをありがとうございました。

3つの点について実行してみました。

>散歩に出て出来るだけ近い場所を排泄ポイントにすること
←たまたま、家を出てすぐ隣の茂みで排泄します。朝はほぼ確実にここです。

>散歩の折り返し点におやつポイントを設けること
>散歩の後で食事にすること
←散歩に対して積極的になってきたと思います。「イコウ」と誘っても、こたつから出てこない状態だったのですが、自分から出てきます。
道中も良いリズムで歩けるようになりました。
最近は夜明けが早くなって、気持ちも明るくなるようです。
順調に歩けるようになってきたので、もう少し距離を伸ばして見ようかと思います。


これからも質の良い散歩をももに提供できるようにあれこれ試行錯誤ですが、楽しみながら頑張りたいです。

ありがとうございました。


荒川さん、コメントありがとうございます。


お散歩の方、順調に改善しているようでなによりです。


ジャックラッセルテリアの場合、通常は犬の散歩に対するモチベーションを抑える方が大変だと思います。逆にお散歩にネガティブな犬の状況が改善していく過程で飼い主が犬を常に主導する事が出来れば、飼い主が犬に対するリーダーシップを取りやすくなるという利点もあります。


ある意味、これは犬と飼い主の関係を改善するチャンスだと思います。


実際は、犬を飼う上で必要な事は、犬種によっても、犬の個体によっても様々だと思います。
でも犬の望みを飼い主が全てかなえてしまえば、それで犬が幸福かというと、実はそうでもありません。


僕はそれを犬の多くが「大人にならないオオカミ」のような存在だからだと考えています。
犬は飼い主を頼りになる上位者として認め、飼い主に従って暮らしている方が幸せなのかも知れませんね。

史嶋様
 いつも楽しくかつ真剣に読ませていただいています。
我が家のポピーもとうとう2歳になりました。少しずつですが、訓練の成果が現れてきているようで、うれしいです。でも猟につれて出るためでしょうか、野性味が強いように思えます。旅行などで友人に2,3日預けられるかといえば、独立心の強さと散歩量を考えてちょっと(というかかなり)ためらってしまいます。
 今回の記事に「写真のジャンのようにいきなり動物の死体や糞尿のなかで転げ回っても平然と対処できるような度量も要求されるのです」とありますが、じつはポピーはこれをたびたびします!
 カエルなどをとってその上を転げ回るのは日常茶飯事、オフリードの散歩中、何の上を転げまわったのかわかりません(また知らないほうが幸せのような気も...)が、ランボーのようなすごい姿になって帰ってきます。
 「死体」とか「糞尿」とかですので、とても人に相談できず、どうしてこんなことをするのかとても気になっていました。
 どういうことなのかご説明いただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。
 

ぽんたさん、こんにちは、コメントありがとうございます。

犬が強い匂いのするものに興味を示し、その匂いを自分につけようとして、その上を転げまわる本当の理由ですが、正直なところ、犬から直接説明を受けた訳ではないので、僕も想像の域を出ません。


例えば、家の犬たちが過去臭い付けのためにその上を転げまわったものは以下のようなものでした。
・自分で仕留めた半矢の鴨の羽をむしった跡(ラブラドール犬)
・鴨の腐乱死体(ラブラドール犬)
・シカの糞尿の上(ジャックラッセルテリア)
・自分で仕留めた獲物の血の上(紀州犬)
・野良猫のトイレ(紀州犬)
・煙草の吸殻(紀州犬)
・僕の布団の上(ジャックラッセルテリア)


犬の匂い付け行動は、犬の行動を解説した本の中で、しばしば自分の匂いを隠すためとか、獲物に忍び寄りやすくするため、とか解説されています。しかし糞尿ならともかく、死体の匂いや血の臭い、僕(人間)の匂いを身に付けても、逆効果なはずです。僕は最初、犬が糞尿や死体の様な臭い強い匂いが好きなのだと思っていたので、自分のベッドの上で、フガフガと転げ回り、嬉々として匂い付け行動を取るジャンを見た時は少なからずショックでした…


実際に匂い付け行動を取る犬は、その行動の最中、フガフガと鼻を鳴らして、その匂いを強く吸いこみ味わいながら、自分の首筋から背中という一番他の犬が匂いを嗅ぎやすい部位に匂いを着けようします。また匂い付け行動を取った犬に他の犬が近寄ると、一様に付けた匂いをしつこく嗅いで調べるという観察もできます。


これらの観察から、僕は猟犬の多くが行う匂い付け行動は、嗅覚に優れた犬が、自分の好みの匂いや、気になる匂いを自分の身体に纏おうとする衝動的な行動なのではないかと考えています。もうひとつの可能性は自分の匂いを、強い匂いのする場所に残しておく事による、立ちよりの記録という事です。


視覚に優れた人間は、さまざまな色彩やデザインの服を纏い、視覚によって自己主張をします。


犬は視覚よりはるかに嗅覚に優れた生き物なので、自分の好みの匂いや気になる匂いを身に纏う事で、自分という個を他の犬に嗅覚を通じてより強く主張しようとしているのではないでしょうか?僕はそんな風に匂い付け行動を解釈しています。

史嶋様
 早速質問にたいへんわかりやすく答えていただきありがとうございました。嗅覚の鈍感な人間である私には犬と臭いの関係は本当に奥が深いというか謎です。
  隠し立てのないリストを作ってくださってありがとうございます。
 そうなんです。
 ポピーは羊、牛の糞も大好きで、車で遠出をしての散歩の途中臭い付けし、その後気温ほぼ0度の中で寒中水泳をし出したり。止めるか、たまた放っておくのか。
 本当に飼い主を鍛えてくれる犬です。
 

史嶋さま、こんにちは。以前、いろいろご指導いただきありがとうございました。
保護犬セサミもだいぶ情緒も安定してきたように思います。
お聞きしたいのですが、家族以外の他者(大人の女性に対してが多いように思います)
自分に好意を持ち、撫でてくださる方の足元に,自分の体を繰り返しをなすりつけることがあります。
ちょうど、猫が人に甘えるしぐさに似ています。
これはどのような意味があるのでしょうか?

soraさん、こんにちは、コメントありがとうございます。

>自分に好意を持ち、撫でてくださる方の足元に,自分の体を繰り返しをなすりつけることがあります。


この足元というのは、脛や靴ということでしょうか?
もしそうなら、ぽんたさんへのコメントにも書きましたが、犬は自分が気に入ったその方の匂いを自分に移そうとしているのだと思います。


犬は人間には理解できないくらい、高い嗅覚を持っています。人間が高い視覚で、様々な色彩を楽しむように、犬は様々な匂いをかぎ分けて楽しんでいるように見えます。人間が親しい人の写真を撮って持ち歩くように、犬は好みの相手の匂いを身につけ、また自分の匂いを相手に着けておきたいのかも知れませんね。

お返事ありがとうございます。
かがんで、撫でてくださる方の脛あたりです。逆にそうしない方には
興味がない、もしくは怖いのでしょうか(人好きな犬ではないので)
わたしや家族にもすることはないのですが・・・。
セサミも他犬の糞や尿、昆虫の死骸など体にこすりつけますが
同じような意味合いなのでしょうか?何度もすみません。

soraさん、こんにちは、

>かがんで、撫でてくださる方の脛あたりです。
この動作をする時、犬がこすりつけるのは、自分の顔から背中にかけてでしょうか?
だとすると「匂いつけ」と単に懐く動作をしているのだと思います。


>逆にそうしない方には、興味がない、もしくは怖いのでしょうか
>わたしや家族にもすることはないのですが・・・。


犬の場合、飼い主より、よその可愛がってくれる人に、妙に懐いているように見えることがあります。
この犬の行動の意味を簡単に説明するのはちょっと難しいのですが、犬は以下のような原理原則で日々暮らしていると考えると理解しやすいかも知れません。


・犬はヒエラルキー(ピラミッド状の階層構造)を持った社会生活をしているオオカミの子孫です。
・オオカミの群れのトップは雌雄のアルファが占め、オオカミたちはその地位に従って生きています。当然同じ感覚を犬も、社会化された相手、他の犬や人間に持っています。
・犬から見て、命令を下し、自分がそれに従う飼い主はヒエラルキーのトップにいる存在、自分の人間の家族は本来自分より上のヒエラルキーに属した存在です。
・トップにいる相手を犬は尊敬し、従順に従って見せようとしますが、なれなれしく接しては来ません。
・一方、よその可愛がってくれる人は、自分に命令する事も叱る事もないので、犬から見てヒエラルキーの高い相手には見えません。
・自分と同程度か、少し高いくらいヒエラルキーにあるように見える人間で、強い自己主張をしない人間、あるいはフレンドリーに接してくる人間は、犬にとってもっとも気軽に接する事のできる相手です。
・犬はそう言う相手に対して、飼い主に見せるより、気軽でより親しげに見える挨拶をするのです。


>セサミも他犬の糞や尿、昆虫の死骸など体にこすりつけますが
>同じような意味合いなのでしょうか?何度もすみません。


前にも書きましたが、犬は自分の好みの、あるいは気になった匂いを自分に付けたいという欲求を持っているのだと思います。その好みの匂いのジャンルに、人間から見て汚物に見えるものも、飼い主やよその親しい人の匂いもある、と言うことではないでしょうか?


例えばうちのジャンは、僕や僕がいる前では、僕の寝床で匂いつけ行動を取りませんが、僕がベッドから離れると、ベッドの上で転げ回り、大喜びで熱心に匂いつけ行動を取ります。僕が戻ってくると、何もしていなかったような振りをします。この行動は、彼が僕を好きで、僕の匂いを自分に付けたいけど、僕の目の前でそれをするほど、僕を甘くは見ていないと解釈しています。


これはジャンが僕を自分の畏友以上の存在、自分の群れのリーダーだと認めてくれているからだと思います。


こうした犬特有の強い嗅覚や強い階級意識は人間には容易に理解できませんが、こうした事が重なって、自分の飼い犬が、しばしば自分より他人に懐いて見えるようになるのだと僕は考えています。それはとりもなおさず、犬が飼い主を尊敬し畏怖すべきリーダーだと感じているから起こる事だと思います。

とてもわかりやすいご説明、恐縮いたします。ありがとうございます。
理解し納得いたしました。
自分を撫でてくれる他者に対し、顔から背中をなすりつけています。
わたし以外の他者に懐くことがなかったので、嬉しく思っております。
史嶋さまのいうとおり、わたしや家族にはなすりつけたりはぜず、脱いだコート(寝室には入れないようにしています)などに
たまに体をごろごろさせており、わたしに見つかると、ジャンちゃんと同じような行動をとります。寝て起きた後が多いこともありますが、そうでないときも
わたしや家族を前に後ろ足をべたーっと伸びをします。ただ単に伸びているだけなのでしょうか。いずれも1年前にはなかった行動で、リラックスできているようにはみえます。
いつもありがとうございます。これからも、史嶋さまの記事を参考にさせていただき勉強してまいります。

コメントを投稿する
  

この記事を引用

モバイルで接続

携帯で閲覧

携帯で閲覧

バーコードを読み取るか、携帯にアドレスを送信してアクセスしてください。