GREEN DOG

2012年2月 9日

捨て犬ブラン(7)

史嶋桂

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(承前)
ブランと仲良く暮らしていたスナッピー(二世)だったが、生後3カ月頃、アカラス症と言う厄介な病気にかかってしまった。アカラス症はニキビダニとも呼ばれる毛包虫が引き起こす皮膚病で、全身性や四端性がある。スナッピーがかかったのは、どうやら全身性だったようだ。病気のせいでスナッピーを他の犬と遊ばせる事ができなくなったので、スナッピーの遊び相手はブランだけになった。写真はゲームを捜して草原に潜ったまま戻ってこないスナッピーを根気よく見守るブラン。その後ろ姿は子犬を見守る母犬そのものだった。

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二枚の写真はアカラスにかかる前と発症したあとのスナッピーの様子だ。スナッピーの場合、初期の症状は頭頂部にできた小さなニキビのようなものだった。そこから徐々に脱毛が始めまり、わずか一週間ほどで顔の大半の毛がボロボロと抜け落ちてしまった。僕は慌てて、家の近くで開業していた獣医に診てもらった。
 
獣医の対応はおざなりなものだった。イソジンと言ううがい薬を薄めて患部に塗り、これで収まらなければ治らないと言うのだ。僕は立川で開業している獣医の伯父にも電話で相談した。伯父の答えも似たようなものだった。当時アカラス症はまだ明確な治療手段が確立しておらず、子犬の場合は患部を清潔に保ち、成長とともに体力がついて自然治癒するのを待つしかないというものだった。最悪の場合は一生毛が生えない事もあると言う。
 
僕は困ってしまった。スナッピーはちょうど生後3カ月に達しており、本来は犬対犬の社会化のために、犬同士でたくさん遊ばせなくてはならない時期だったからだ。しかしアカラスにかかった犬を、他の犬と遊ばせるのは憚られた。大半の成犬はすでにニキビダニに感染しており、子犬から感染しても発症する事はないと言うが、万が一成犬が発症した場合は子犬と異なり、一生かかっても治癒が困難な場合もあるからだ。

783px-Demodex_mite_1.jpg犬のアカラス症を引き起こすのは写真のイヌニキビダニと呼ばれる全長0.3mm程度の細長い毛包虫だ。実はほとんどの哺乳類はその種に特異的に分化したニキビダニが寄生しており、名前のとおり毛包部に棲みついている。犬の毛包虫は皮脂線の導管部に棲みついており、毛包上皮細胞を食べていると言われる。この毛包虫が異常に増えることで、毛が抜けたり、皮膚が荒れたり、フケが増えたりする。これがアカラス症と呼ばれる病気の正体だ。毛包虫はもちろん人間にも寄生しており、ニキビダニとコニキビダニの二種が知られている。
 
犬の毛包虫は、生後間もなく母犬から感染するといわれ、普通は何の症状も起こさず、ただ寄生している。しかし毛包虫が子犬の免疫力や抵抗力の低下など、何らかの原因によって異常増殖すると、脱毛が始まり、アカラス症と呼ばれる様になる。
 
犬のアカラス症は主に子犬に見られる病気だが、成犬にも見られることがあり、成犬ではアトピー性皮膚炎、甲状腺機能低下症、糖尿病などの疾患が、アカラス症の発症に関係していると考えられている。
 
僕は少し離れたところに、大学の先輩が開業したばかりの新しい獣医院がある事を思い出し、スナッピーをクルマに乗せて診察に連れて行った。先輩の獣医師はスナッピーの病変部から細胞ごと寄生している病原である寄生虫を採取し、顕微鏡で毛包虫に間違いないと確認すると僕に言った。

「まだアカラスの治療法は確立していないが、先日の獣医学会で比較的短期間で治癒可能だと言う新しい治療法が紹介されていた。リスクはあるが、それを試してみる気はあるか?」

僕は藁にもすがる気持ちで答えた。

「良い治療法があるなら試してみたいです。お金がかかる方法でしょうか?」

「金はそれほどかからない。ただし農薬を使うので、施術者にも犬にもリスクがあるのと、犬自身にどんな副作用があるか、まだ十分確認されていない。それと手間がかかるのが一番の難点だ」

スナッピーはちょうど社会化期に入るところだったので、僕はできるだけ短期間で直してやりたかった。病気のために子犬時代の社会化ができないのは犬にとって不幸な事である事を、僕は経験から知っていたからだ。

先輩獣医師が教えてくれたのは、ミカンなどに付くルビーロウカイガラムシ用の農薬を希釈して、アカラス症にかかった子犬を毎日薬浴させるというものだった。
 
僕は先輩獣医師が教えてくれた方法でスナッピーを治療してみる事にした。ちなみにこの方法は当時でもあまり用いられなかった過渡的な方法だったようで、現在では行っている例はほとんどないと思われる。それはマシン油乳剤と言う油性の農薬を水で希釈して、スポンジで犬の全身の皮膚に塗り、しばらく毛穴に浸透させてから洗い流して乾燥させるというものだった。
 
ニキビダニは毛包の中に住んでいるため、動物の皮脂が薬品を弾いてしまい、一般の薬剤で犬の身体を薬浴してもほとんど効果がない。この方法を見つけた研究者は、ニキビダニのこの性質が、ロウ状の物質で身体を覆って農薬をはじくカイガラムシと共通性が高い事から、カイガラムシ防除に効果のあるマシン油乳剤を試したところ、短期間でアカラスの治療に成功したと言うことだった。
 
僕は先輩獣医師から分けてもらった農薬を希釈して、毎日スナッピーを薬浴させ、ついでにブランも週一回薬浴させた。ブランはアカラスを発症してはいなかったが、双方の犬に毛包虫が多く残っていれば、寄生虫のキャッチボールになってしまって治療の効果が低くなると思われたからだ。
 
薬浴の効果は眼に見えるほどではなかったが、確かにスナッピーの症状は好転して行った。一週間目は薬浴を毎日行ったにも関わらず、残っていた顔と肩までの間の毛がすべて抜け落ちると言う悲惨な状態に陥ったが、諦めずに薬浴を続けると、二週目には顔に毛が生え始め、三週目にはところどころ禿げが残る程度に改善していった。下の写真は症状が軽減した生後4ヶ月頃のスナッピー。まだ目の周りやつま先にハゲが残っている。

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しかしこの薬浴は他の方にはお勧めできないと思う。なぜならブランもスナッピーも、後に肉腫やガンを発症し、スナッピーはそれが原因で短命に終わったからだ。僕はその原因が、この時の薬浴にあったのではないかとひそかに疑っている。
 
いずれにしても、スナッピーのアカラス症が治るまで、他の犬と遊ばせる事はできなかった。身体が大きくなり、甘咬みがだんだん強くなるスナッピーの相手は、ブランひとりが務める事になった。ブランは毛の抜けたスナッピーが患部を気にして後ろ足で掻いたりするたびに患部を舐めてやり、体力の有り余るスナッピーの相手を根気よくつとめてくれた。

僕はブランの薬浴をしている時に、彼女の首筋に無数の赤い斑点があるのを見つけた。これもアカラスの新しい症状かと慌てたが、先輩獣医師によると、スナッピーが甘噛みの際に乳歯でつけた咬み傷だということだった。僕はスナッピーが咬みついても傷が軽くてすむように、ブランの首に生地の厚いバンダナを巻いてやる事にした。

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その後スナッピーが生後一歳くらいになった時、若いラブラドル犬とは思えないほど落ち着きはらった、自信たっぷりの犬に育った。それは義母となったブランという若い紀州犬の牝による教育の賜物だったのかも知れない。

史嶋桂

コメント

アカラス症、初めて聞きました。
藁にもすがる思い、よく分かります。
その時出来る最善と思われる事をした事は犬にも通じていると思います。
例え副作用があったとしてもその時は患部が治ったのですから、反省はしても後悔はしないで欲しいなと思います。

細かいことを言うようで申し訳ないのですが、「ブランの首に記事に厚いバンダナを」の所、漢字が違うような。

史嶋様、「捨て犬ブラン」の続編UPありがとうございます。

今とは違って、獣医学が発達していない頃の治療、本当に大変だったと思います。

Aさん、コメントありがとうございます。

>アカラス症、初めて聞きました。
このごろは、単にニキビダニと言う事が多いみたいですね。


>その時出来る最善と思われる事をした事は犬にも通じていると思います。
このあたりはいつも判断に迷うところです。アカラスは人間の思春期のニキビにも似た病気のような気がします。また日本では短毛種の洋犬の発症が多い事から、日本の高温多湿の気候風土が合わない洋犬にストレスを与えている可能性も否定できません。
そもそもスナッピーは、自分が禿げてしまった事を気にした風もありませんでしたし、薬浴も嫌がらない様な子犬でした。アカラスは放っておいても治る犬と、一生そのまま症状が続く犬がいます。そう言う意味では、社会化期と言う時期でなければ、しばらく静観するという選択肢もあったのではと思う事もあります。


でも僕は、犬を飼うにあたり、病気や怪我の対処で迷ったら、とりあえず、その時点で最良と思われる方法を短時間に選択する事にしています。犬の新陳代謝は人間より早く、怪我の治りも早い代わりに、病状の進行は短期間で進むからです。
少し大げさな言い方ですが、生き物である犬の命を預かっている以上「自分の両手が届く範囲で最善を尽くす」と言う事が常に必要だと思っています。

誤字のご指摘もありがとうございます。修正させていただきました。

依田文枝さん、コメントありがとうございます。

>今とは違って、獣医学が発達していない頃の治療、本当に大変だったと思います。
アカラスの治療は、現在ではいろいろな方法がありますが、未だにこの方法が決定的というのは無いように思います。犬自身の健康と保ち、常に清潔を心がけるというのが、実は最善の防御方法なのかも知れませんね。

史嶋さま。
以前も相談させていただきました、荒川です。
常に史嶋さまの記事を拝見しており、大変参考にさせていただいております。

我が家のジャックラッセルテリア・もも(メス)は、もうすぐ7ヶ月のやんちゃ盛りです。
おかげさまで、なんとか落ち着いてももとの生活を送っております。
…が、一点ご意見を伺いたく、今回こちらを利用させていただきます。

ももは、雨の日の散歩を極度に拒否します。
普段通りに玄関を出ても、雨にあたると途端にその場にフリーズして動きません。
リードをいっぱいに伸ばして「ツケ」で呼び寄せると渋々足元に座りますが、結局まともに歩かないのです。
屋根のある場所や、軒下、茂みの中など、あまり雨の当たらない場所から出ようとしないので、やはり雨が原因だと思います。服を着せても同じです。

雨以外でも、今の時期の早朝の散歩でも(眠い、暗い、寒い…あたりが原因でしょうか)積極的に歩かない時があり、抱き上げて排泄のポイントに連れて行くと、ひと通りうろうろあたりを嗅ぎまわり排泄を済ませて、また「抱っこしてください」という始末です。

さらに今日は排泄を済ませる前に、落ちていた他の犬の糞をくわえ「ヤメ」でもはなさなかったので、そのまま抱き上げて帰宅しました。

こうした場合は必ずしも無理矢理引きずってでも歩く必要はないでしょうか。
排泄は、室内のトイレスペースでできます。
運動不足は室内遊びでフォローします。
であれば、飼い主にもももにもストレスになる雨の散歩をやめてしまっても問題無いような気もします。
ただ、改善の余地があるならお互い努力したいと思うのです。

ももの普段の生活環境は…

室内放し飼いです。夜もリビングのこたつ布団で寝ます。

留守番時もひとりで室内にいますが、いたずら、粗相、破壊行動などはありません。

家人が帰宅時の挨拶の順番や、食事の順番など、家庭内のルールについては、史嶋さまのご意見に従っています。

「褒める躾」を心がけています。

散歩は、朝30分、昼はボールのリトリーブやロープの引っぱりっこなどの遊びを含めて2時間、夕方1時間です。

週に1回ドッグランに行きます。人、犬どちらも大好きでよく遊びます。大人の大型犬とは、いまいち絡み方が分からないようで、尻尾を丸めて少し怖がるような態度を見せますが、おおむね社会化はできていると思います。

脚側歩行は完璧ではありません。どうしても真横です。ついつい前に出ようとしますがチョークをかけなくても「ツイテ」とたしなめると、真横に戻ります。

意地でも前には行かせないつもりで歩いていますが、ももが後方で色々なもの、匂いに反応して立ち止まるので、歩調が乱れます。木の実、パンくず、ガムなど、落ちているものをくわえますが「ヤメ」で出します。

(←ももが立ち止まる度にチョークをかけていると、ただただチョークをしながら淡々と歩き続けることになり、もものモチベーションが下がるため、ついつい私も止まってしまい、匂いを嗅ぐのを許してしまいます。改善点でしょうか?)

基本的な「オスワリ」「マテ」「フセ」「ツケ」「ツイテ」はできます…が、散歩中よその人に声をかけてもらった、よその犬に熱烈な視線を送っていたら反応があった、お友達犬と遊び始めたばかり…こういった状況では「ツケ」に従いません。

お時間のある時に、史嶋さまのお考えをお聞かせください。

史嶋さま。こんにちは。
以前もこちらで質問させていただきました、荒川です。
常に史嶋さまの記事を拝読しており、大変参考にさせていただいています。

我が家のジャックラッセルテリア・もも(メス)ももうすぐ7ヶ月のやんちゃ盛りですが、
おかげさまでなんとか落ち着いて生活できています。


…が、今回一点ご意見を伺いたいです。

ももは、雨の日の散歩を極度に嫌がります。
支度をして玄関を出るまではいつも通りなのですが、いざ体に雨がかかると途端にその場にフリーズしてしまうのです。服を着ても同じです。

リードをいっぱいに伸ばして「ツケ」で足元に座りますが、その場しのぎです。
つないで距離を置いても、いつまでもその場で「ツケ、マテ」状態です。その後とぼとぼと歩き始めても、すぐに歩くのをやめてしまいます。

排泄ポイントまで抱き上げて連れて行くと(←良くありませんよね…?)排泄を済ませ「抱っこしてください」という弱気ぶり…。

昨日もその調子で排泄ポイントまで連れて行ったところ、ひととおりくうろうろくんくんしつつ、よその犬の糞をくわえ「ヤメ」でもはなさなかったので、結局排泄しないまま、そのまま抱き上げ帰宅しました。

ただ、川岸まで下りていって水鳥を追跡することは大好きです。雨でもお構いなしでいつまでも走り回り、脚をすべらせて体が水に浸かっても平気です。雨<鳥なのです。では、雨の日は川岸で遊ばせれば良いという解決策はできれば避けたいです。

さて、こういった場合、無理矢理、ひきずってでも散歩に連れ出す必要はあるのでしょうか?

排泄は、室内に用意したトイレでできます。ただ、昨日は、夕方排泄しないまま、今朝まで出しませんでした。

運動不足は、室内でロープの引っ張りっこなどをしてフォローします。

ただ、雨でも歩ける改善策があるなら、努力してみたいと思うのです。


参考までに、現在の飼育状況です。

室内放し飼いです。夜もリビングのこたつで寝ます。ゲージは使いません。

家人の帰宅時の挨拶の順番や、食事の順番など、家庭内のルールは、史嶋さまのご意見に従っています。

留守番時もリビングに放していますが、いたずら、粗相、破壊行動はありません。

散歩は朝30分、昼はボールのレトリーブやロープの引っ張りっこなどの遊びを含めて2時間、夕方1時間です。

週に1回ドッグランに行きます。人も犬も大好きで、元気よく遊びます。大人の大型犬に対しては、いまいち絡み方がつかめない様子で、尻尾を下げて遠慮がちにしていますが、おおむね人と犬に対する社会化はできていると思います。

しつけは「褒める」を心がけていて、「オスワリ」「マテ」「フセ」「ヤメ」はできますが、「ツケ」「ツイテ」がまだ完ぺきではありません。

「ツケ」は、すれ違う人や犬から反応があって思わず近寄ったときや、お友達犬と遊び始めたばかりのときなどは従いません。

「ツイテ」ですが、どうしても真横です。ついついももが先行したときはチョークをかけなくても「ツイテ」とたしなめると横に戻ります。
絶対ももを前にいかせないつもりで歩いていますが、気になるモノや匂いにしょっちゅう立ち止まるので、歩調が乱れます。
匂いをかいでマーキング(←メスなのに! 一滴二滴でも絞り出してる感じです)したり、パンくず、ガム、干からびたカエル(…)などをくわえます。
その際は「ヤメ」とチョークすると大体はなしますが、パンくずはなかなか出そうとせずに食べてしまうこともあります。
こうした寄り道はすかさず、こまめに毎回チョークで足元に戻した方が良いのでしょうが、ただただ歩くだけだと明らかにもものモチベーションが下がるので、ちょこちょこ許してしまいます。


なんだか、雨を攻略する以前に、改善点が多々ありそうな気もしますが…ももは良い子に育っているでしょうか。

お時間のある時に史嶋さまのご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。

荒川さん、こんにちは、コメントありがとうございます。

ももちゃんが、雨を極端に嫌がる理由がなにか思いあたりますか?
・シャワーが嫌いで、身体が濡れるのが嫌い、同じ理由で雨が嫌
・雨の日に外出して、何か嫌な経験をした
・実は飼い主が雨の日の散歩をおっくうに感じている様子を犬が認識している
・雨の中を散歩に出ても、ボール遊びとか楽しい事がない


あと、早朝の散歩を嫌う原因もきちんと探ったほうがいいです。

・単純に散歩に出るだけで楽しい事がない
・早朝の散歩で何か嫌な経験、怖い思いをした
・飼い主が早朝や寒い時間帯の散歩にネガティブな感触を持っている


特に、雨や寒い時に、飼い主自身が散歩をおっくうに思っている様子を犬は敏感に察知します。
飼い主自身が雨の散歩が嫌いな場合でも、犬の前ではそう言う負の感情は出来るだけ見せないようにします。


>こうした場合は必ずしも無理矢理引きずってでも歩く必要はないでしょうか。
まず、無理やり引きずってでも歩かせるという発想と、何かあったら抱きあげて運ぶと言う方法を出来るだけ避けてください。ジャックラッセルテリアの訓練と躾けでは、犬が納得しない事を強制すること、嫌な事から安易に逃げる手段を与える事は避けた方がいいと思います。


犬が飼い主について歩かない場合、犬にとって何か重要な事が起きている可能性があります。例えば

・椎間板ヘルニアなど健康上の問題がある → 痛みがあって歩きたくない
・どうしても嗅ぎたい匂いを発見した
・犬から見て飼い主の命令より重要な課題がある


形質的な問題、病気などの可能性がある場合は、かかりつけの獣医さんに良く見ていただいた方がいいです。

それ以外の問題は、犬と飼い主の関係、さらに犬の意識にかかわる問題なので、根本原因に遡って原因を調べ、犬が納得ずくで飼い主との散歩に必ず喜んで付いていく方法を模索します。

なお、以下の点は改善の余地があります。

>(←ももが立ち止まる度にチョークをかけていると、ただただチョークをしながら淡々と歩き続けることになり、
これでは、褒める躾けになっていません。一方的に叱る躾けになっています。その事をまず認識しましょう。この事が散歩に対する犬の態度をネガティブにしている可能性もあります。


>もものモチベーションが下がるため、ついつい私も止まってしまい、匂いを嗅ぐのを許してしまいます。改善点でしょうか?)

お考えの通りです。当面以下のようにして見てください。
わずかな距離でも、ちゃんと歩けたら、歩いている間に、ヨシヨシ・ツイテとちゃんと歩けた事を、笑顔で褒め、短時間でも正しい位置(飼い主の左足と同じ場所から、それより後ろ)であるけたら、ツケで脚側停座させてから、笑顔でヨシヨシ・ツケ、ヨシヨシ・ツイテと出来た事を大げさに褒め、立ち止まるたびに小さなもので良いのでご褒美を与えます。
場合によっては、一食分の食事をご褒美にするくらいのつもりで、散歩の間中、常に取り組んで見てください。


こうした訓練で通常の散歩で脚側歩行ができるようになるまでは、雨の日の散歩は無理やり出さなくてもいいと思います。
犬が嫌がる状態で無理に散歩に出すと、ジャックラッセルテリアのような利己的な犬は「嫌なのに飼い主に散歩を無理強いされた」と飼い主に対する悪感情を持ち、せっかく築いた飼い主と犬の信頼関係を損なう可能性もあるからです。


>散歩中よその人に声をかけてもらった、よその犬に熱烈な視線を送っていたら反応があった、お友達犬と遊び始めたばかり…こういった状況では「ツケ」に従いません。

これは年齢とともに落ち着きが出る場合もありますが、まずはアイコンタクトを強化し直す事をお勧めします。それと今の月齢では、社会性を見に着けるほうが優先事項なので、他の犬や人に挨拶に行こうをする犬を止めるのはヤメ、挨拶が一通り済んでから、ヤメ・ツケで呼び戻して脚側停座させる習慣を着けてください。


犬の問題行動の改善にもっとも重要なのは、飼い主がその原因を確認し、個別の原因に対して対策を立てる事だと思います。他の生活の中で大きな問題がない犬が、特定の条件で飼い主に従わない時、そこには必ず、原因があると思います。まずはその原因探しから始める事をお勧めします。

史嶋さま。

早速のお返事をありがとうございます。
この場で、私を含め、悩める飼い主の声にきちんと答えていただける史嶋さまに、ただただ尊敬と感謝です。


問題に対する原因を考えてみます。

雨を嫌う原因…
>・シャワーが嫌いで、身体が濡れるのが嫌い、同じ理由で雨が嫌
←シャワーは好きではないと思います。逃げ回ったり大暴れしたりはしませんが、じっと耐えている感じで、体を乾かした後はぐったり疲れたかのようにおとなしくしています。
 ただ、降りしきる雨の中、しょんぼりと動こうとしない様子は、とにかく楽しくなさそうです。

>・雨の日に外出して、何か嫌な経験をした
←特に思い当たりません…。

>・実は飼い主が雨の日の散歩をおっくうに感じている様子を犬が認識している
←確かに「ももは歩かないんだろうなー(ため息)」というネガティブな印象が伝わっているかもしれません。

>・雨の中を散歩に出ても、ボール遊びとか楽しい事がない
←確かに、雨の日は早く終わらせようという雰囲気になっていて、「遊び」にまで気が回らず… あまり人や犬とも出会わないので、ももにとってはちっとも楽しくないと思います。


早朝の散歩を嫌う原因も…
>・単純に散歩に出るだけで楽しい事がない
>・飼い主が早朝や寒い時間帯の散歩にネガティブな感触を持っている
←確かに、朝は私も時間を気にして「ちゃっちゃか歩こうよー」という気持ちがありました。ももにとっては物足りないのだと思います。

>・早朝の散歩で何か嫌な経験、怖い思いをした
←これは特に思い当たりません。


考えてみると、私の負の感情が問題を引き起こすのだと気づきました。


最近実践して効果があったのは(以前史嶋さまが記事に書かれていました)、ももが歩くのをやめて座ったらその瞬間に「オスワリ・マテ」と言い、笑顔で「オスワリヨシヨシ・マテヨシヨシ」と褒め、しばらくして「オーケイ・ツイテ」とあたかも命令解除のように指示すると、歩き始めます!

今までは「(あぁまた止まっちゃったよー。)モモ・ツイテ」と声をかけるだけでした。

また、こちらが元気よく「イコウ」と小走りすると、楽しそうに走ってついてきます。行く先がまだ暗くてなんとなく気が乗らなくて立ち止まってしまうとき、効果的です。


ももは、史嶋さまのご指摘とおり、
>・どうしても嗅ぎたい匂いを発見した
>・犬から見て飼い主の命令より重要な課題がある
これが多々あるのです。
普段の散歩道は、人も犬も気持ち良く歩く川の土手なので、とにかくももにとって魅力的な匂いでいっぱいのようです。順調にツイテ歩いていても、急停止してあたりを嗅ぎまわってしまうのです。
そんなときは結局私が立ち止まって、ももに歩調を合わせているような状況で…
うすうす感じていたのですがやはり…私がまだ飼い主として上位に立てていないんだなと実感します。


7ヶ月という月例もあると思うのですが、ももはとにかく「飼い主に服従し、忠実に指示に従う」というよりも「遊びの中で、飼い主とコミュニケーションする」ときに目をキラキラさせて集中しています。
やはり、こちらが気持ちを盛り上げて、楽しい雰囲気を演出する方法で、アイコンタクト、脚側歩行を強化してみます。


脚側歩行って、重要なんですね。
史嶋さまの記事に出会わなければ、とにかくそういった知識も無しに、大騒ぎだったでしょう。


しつけや訓練についての記事も好きですが、マイロさんやジャンくんの普段の様子や、遡って過去に飼われた保護犬のお話、ブランさん&スナッピーさんの絆物語なども大好きです。


お忙しい御身とは思いますが、またいろんなお話をお聞かせください。

荒川さん、こんにちは、

コメントをいただいた件について、いくつか思いついた事がありますので、追加させていただきます。


まず雨中の散歩について…

>ただ、降りしきる雨の中、しょんぼりと動こうとしない様子は、とにかく楽しくなさそうです。

シャワーもそうですが身体が濡れるのを嫌う犬もいます。家のマイロのように外でしか排泄しない犬は、土砂降りでも外に出なくてはなりませんが、そうでない犬は、無理やり雨の中に散歩に出す必要もないと思います。


どうしても雨中の散歩に出なくてはならない時は、身体が濡れないようにケープタイプの合羽を着せ、雨が小降りになった時をねらって出るようにされてはいかがでしょう?


>また、こちらが元気よく「イコウ」と小走りすると、楽しそうに走ってついてきます。行く先がまだ暗くてなんとなく気が乗らなくて立ち止まってしまうとき、効果的です。


もうひとつ改善する方法として、朝の短い散歩でも、犬のモチベーションを上げる方法があります。
散歩に出て出来るだけ近い場所を排泄ポイントにすること、散歩の折り返し点におやつポイントを設けること、散歩の後で食事にする事という3つの組み合わせです。


散歩の行き先を何種類か決めて置き、朝の排泄主体の散歩の時は、折り返し点で犬が確実に出来る簡単な服従訓練(スワレ・フセ)を行います。犬が素直に訓練に従ったら、笑顔で大げさに褒め、おやつを上げて、そこから折り返して、帰宅したら朝食を与えるという順番で散歩することで、犬に納得させ服従させた上で、短時間でも内容の濃い散歩をする習慣を着ける事ができます。


ポイントは、排泄場所を家の近くの街路樹の根元など、他に迷惑のかからない場所に定めて置き、そこで排泄を済ませたら、それ以外のセントポストはできるだけ離れた位置を素早く歩いて無視してとおり、折り返し点まで行ってしまう事です。


この事で、犬は朝の忙しい時間帯の散歩でも、気を散らされる事なく目的地に向かい、、目的地に着くと必ず良い事があるという学習をします。これらの一連の流れが習慣になってしまえば、犬は飼い主の命じる場所で排泄を済ませ、目的地まで喜んで歩く習慣を持てるようになって行きます。


そう言う方法も試されて見てはいかがでしょうか?

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