「それぞれの動物愛護のカタチ 2010」イベントレポート (3)

The dog actually Times

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イベントレポート第3回目は、『dog actually award(ドッグ・アクチュアリー・アワード)』の発表と、出演者全員そろってのパネルディスカッションです。新たな取り組みである dog actually award には、およそ30もの応募がありました。それぞれの活動はどれも素晴らしいものだったそうですが、事務局やライター陣で選考の末、今回4つの活動が受賞することになりました。

さよなら、じっけんしつ 脱・動物実験をめざすための情報サイト

管理人のぴかりぃさんは、10年前に実験マウスと暮らし始めたことをきっかけにサイトを立ち上げ、今年で10年目を迎えました。国内に限らず海外の情報まで幅広く取り上げているサイト内情報の豊富さには目を見張るものがあり、動物実験についてあまりご存知無い方でも、こちらのサイトを読むことで一から学ぶことができます。ブログも併せてご覧になることを是非ともお勧めいたします。

ぴかりぃさんから、次のようなメッセージをいただきました。

「動物実験は、動物をわざと傷つけたり命を奪ったりする、虐待とも言える行為なのですが、"人のため"と考えられていることもあり、とても難しいテーマです。まず知るという意識だけでも広まっていけば、と願っております。」

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"犬は犬から学ぶ"。ベルジアン・タービュレンのリデルは飼育放棄された保護犬のために、犬の立場から犬たちにさまざまなことを教えています。ブログ管理人のへちまこさんは、犬たちをサポートするという形で犬を通じて人の立場からできるさまざまな活動を続けられています。

へちまこさんから、次のようなメッセージをいただきました。

「ここ数年、私の犬であるリデルという犬を通してみてきた"動物愛護のカタチ"は、いかに犬らしく一日を暮らしてもらうか、と、いうことでした。今後もリデルという犬を通して見る犬たちの世界の邪魔な存在にならぬように"私なりの動物愛護のカタチ"を、探し求めたいと思っております。」

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Perro Dogs Home

身寄りを失った犬たちに安息の場所を見つけるべく保護活動を続けている Perro Dogs Home。サイトに掲載されている写真はどれも美しく、全体の情報から保護犬一頭一頭に関する情報提供など細かく見やすく整理されています。保護犬=可哀そう・辛そうといった一般的なイメージを全く感じさせない作りは、"犬が好きではじめたことでしたが、結局、人の意識が変わらないと何もかわらないと感じるようになりました"との言葉をくださった、代表の増田琴美さんの、犬を通じて感じてきたさまざまな想いのひとつの現われなのかもしれないと思います。

増田さんから、次のようなメッセージをいただきました。

「会をスタートして4年弱、200頭を超える犬をこれまで救援しています。3人ではじめた活動でしたが、現在では50人を超えるボランティアの仲間を得、さらに多くの方々のご支援をいただけるようになったことには、感謝の言葉もありません。特定犬種の一時的な流行が、繰り返しおこっています。そして、その犬種が、数年後にセンターに溢れるように収容されるという事態には心を痛めざるをえません。」

プエルタ・アビエルタ

スペイン語で"開かれた扉"を意味する保護団体、プエルタ・アビエルタ。静岡県で活動をされているプエルタ・アビエルタ代表の平光宣子さんは、お一人で保護活動を始めて4年、その後プエルタ・アビエルタを設立されてから10年にわたってコツコツと活動を続けられています。平光さんたちによって開かれた扉を、数え切れないほどたくさんの犬たちが通って新しい飼い主さんのもとへと迎えられて行きました。

イベント当日、静岡から東京のイベント会場までいらしてくださった平光さん。

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「私たちのところには、幸せな犬しかいません。幸せな犬をもっと幸せにできるようお手伝いをしているんです。」

平光さんがお持ちになった写真には、満面の笑みを浮かべたとても感情豊かな表情で写るラブラドールの姿がありました。プエルタ・アビエルタの方々が普段どのようにして保護犬たちと接していらっしゃるのか、このラブラドールが見せる笑顔がすべてを語ってくれた気がします。レスキュー活動のみならず、しつけ方教室を開催したり、小中学校や地域イベントで動物愛護の啓蒙活動も行っていらっしゃるプエルタ・アビエルタ、その代表を務める平光さんのお話は、とても温かい力強さに満ち満ちていました。

ここでは簡単な紹介だけになってしまいますが、それぞれのご活動の詳細は、各リンク先のサイトをご覧になっていただければと思います。

=====

パネルディスカッション

イベント最後は出演者全員が登場してのパネルディスカッションです。パネラーの方々の生の声を聞くことで、それぞれが抱かれている想いがダイレクトに伝わってきました。その中でも印象に残ったものを紹介させていただきたいと思います。

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これまでの取材や活動を通じて変化したなと感じことは?

取材当初には、とても閉鎖的で頑なだったペット業界や行政も、徐々に変化してきていると太田さん。問題と感じることを相手に率直にぶつけていくことで、無理かもしれないと思った相手の対応も、少しずつ変化していくということを、『AERA』での取材を通じて確信されたそうです。また、法改正のために活動を続けている藤村さんは、

「環境省とは喧々諤々でしたが、最近になってとても友好的に話し合いができるようになったという点はすごく変わった部分だと思います。行政側の対応の変化だけではなく、行政に対して、何故そこまで隠すのか?といったような、ある種の偏見のようなものを多少持っていたかもしれない、私自身も変わったのだと思います。行政側は行政側として限られた法の中でできることとできないことがどうしてもあるんだということが、分かってきたということもあるからなのでしょう。」

藤村さんは活動を通じて、殺処分する機械を動かしている人たちがものすごく深く傷ついていることを知り、その面でのケアも必要なのではないかという、新たな視点も生まれてきたと話されていました。

子どもたちへ動物愛護の啓蒙活動をしていくためには?

動物愛護について、子どもたちはどのように学んでいけばいいのでしょうか?次世代を担っていく子どもたちに対して、私たちができることはどんなことなのでしょう?

大人は、子どもたちが自分たちで考えて行動できるよう、正しい方向へとサポートしていくことが大切と、京子アルシャーさん。

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「まず、ドイツの小学校での動物飼育は殆どありません。学校で動物を飼うには、教員の手間がかかりますよね。手間がかかっていない状態で動物飼育をすると、大体の場合において荒れてしまうんですよ。荒れている状態を、毎日子どもたちが学校で目にすることで、それが当たり前のことであると思ってしまうのがよくないということで、学校での動物飼育はよほどのことがない限り獣医局から許可がおりません。しかし、動物飼育はしなくても、授業の中で動物保護をテーマとしたディスカッションを行っています。大人が知識を押し付けるのではなく、子どもたちが自ら調べてレポートをだすという形式です。実際に動物に対して良いことをしたいと、子どもたちだけで募金活動をして、集まったお金を動物保護団体へ寄付するといったことも行われています。子どもたちが自分たちで考えて、動物の状況を見て、活動し、世話をして養っていくものですから、大人はそれをちゃんとした方向へ導いてあげるようにサポートをすればいいのだと思います。この点を踏まえて、まずは学校での動物飼育をなくすことではないでしょうか。また、遠足には牧場へ行ったり、ティアハイムやシェルターに見学へ行くこともあります。そしてその後には学校で必ずディスカッションをするといったことを行うことで、ドイツでは次世代を養っているんです。」

京子アルシャーさんのお話に加えて、新木さんは次のようにお話されました。

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「イギリスでは、動物のテレビ番組がものすごく多いので、イギリスの子どもたちは幼いころからテレビを通じて見る動物の数がとても多いと思うんです。日本には、イギリスの子どもたちが見ているような動物番組はほとんどないと思うのですが、アニメーションや漫画の文化がありますから、そこから啓蒙活動を行っていくのもいいのではないかと思います。動物を擬人化するようなアニメではなく、動物愛護をテーマとしたアニメや漫画をつかって教育を行っていくということです。」

メディアで動物を扱う際に気をつけたほうがいいことは?

さらに、アニメーションの制作会社で働いている女性から、メディアで動物のことを取り扱う際に気をつけたほうがいいことは何か?という質問がありました。まずは、雑誌・新聞というメディアでお仕事をされている太田さんからのお話がありました。

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「日本のメディアはブームを作る。そしてそこから乱繁殖が行われ、その結果山に捨てられるといった良くない流れがあることは確かです。たとえばテレビをつければ、とても幼い仔犬が画面に映し出されることも往々にしてあるわけですが、そこには、製作者側がどの程度動物愛護に対する意識を持ち、また理解をして番組制作を行っているのか、という問題が横たわっていると思います。個人的には今後、日本のメディアが動物愛護についてどのような考えを持っているのかということを取材していきたいと考えています。8週齢問題との絡みにもなってくるのですが、日本でも海外で行われているような、8週齢未満の犬は商業利用してはいけないといった自主的規制が必要となると思っています。」

そして、テレビ業界でも放送作家としてお仕事をされている藤村さんは、次のようにお話されました。

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「テレビはスポンサーで動いていますので、スポンサーとなる企業がもっと意識を高く持つ必要があると思います。企業側がテレビ局にひとこと"幼い仔犬など出すな"と言えば、テレビ局は幼い仔犬を使った番組は作れないわけですから。そういう点での企業側の社会貢献がしっかり行われていくといいと考えます。」

イギリスで沢山の動物番組を見てこられた新木さんからは、動物の本質を見据えた番組を作ってください、と一言。そして、清水さんからは。

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「イギリスでは、動物の良い面・悪い面・嫌な面・痛い面などいろいろな情報が平均的に報道されています。動物を飼うということは可愛いだけではなく、辛いことや、大変なことなどの良くない面も包括的に伝えられるような番組が、日本でも作れればいいのではないかと思います。」

***

およそ3時間にわたってのイベント。その内容すべてをここに書き尽くすことはできませんでしたが、パネルディスカッションで京子アルシャーさんがお話された次の一節が、今回のイベントそのものを象徴していたのではないかと思います。

「変えていくべき点は一カ所ではないんです。法律も変わらなければいけない、民間も変わらなければいけない、そして個人も変わらなければいけないんです。このどれかが欠けてもダメなんです。社会を取り巻くすべての要因が同じ意識を持って一緒に動いていかないと、しっかりした変化は遂げられず、社会に根付いていかないと思うんです。これらは生活の中ですべて関連してきますから、もう一度目を良く凝らしていろいろな所にアンテナを張って欲しいと思います。」

(satoko)

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